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「違いますよ」

「……何が違うというのだ?」

「本当にすごいのは――佐蛹君のほうです」

 

混沌とした街、新宿。

その街に広がる都市伝説のひとつ――『掃除屋』。

依頼したことを、なんであろうと必ず遂行する、とそんな噂話のひとつ。

要するに何でも屋ですね。主人公の慶介は、そんな何でも屋のところに下宿していて、家主と共に、依頼解決に動いている、と。

 

ただまぁ、彼の周りにいる人物って言うのが、誰も彼も一癖も二癖もある連中で。

家主の蔵祭もテンションの上下が激しいし、何でも屋の実態にしても彼の趣味で、興味を持ったものにしか関与しないという様な状況だとか。

慶介はそれに振り回されているようで……上手い事順応している感じもしますね。

 

依頼を通じて、あちこちに知り合いを作っているようで。

いざとなったらその人脈を武器に、立ち回れるって言うのは確かにすごい事だと思うんですが……

彼がアレだけ多くの人に手を貸してもらえるだけのモノを持っているように見えなかった、というか。

 

それだけの魅力を感じられなかったのが、ちょっと残念。

いやまぁ、主水くんやルドルフの件のように彼の行動によって助けられた人たちが、恩を返そうとしてるってのは分かるんですが……

何というか、肌に合わなかった感じがしますね。