
「キロ君は気負い過ぎだと思うね。選択に伴う責任は選んだ者だけが負うべき物だという事を分かっていないようだ」
(略)
「それはクローナの選択した結果だろう。事前に考えていた危険に襲われる可能性も、事前に考えていなかった危険に襲われる可能性も、選択する際に全部飲み込むべきものだ。こんな事になるなんて思わなかった、などという言葉は、考えなかった選択者が悪い」
「ば、ばっさり切りますね……」
プロローグから第一章クローナの世界「第49話 別の世界へ」まで。
なろう連載の作品。連載中。
詰みかけ転生領主の改革(旧:詰みかけ転生領主の奮闘記)と同じ作者さんですね。
かつて児童養護施設に、奨学金を得て全寮制の高校に通っていた少年、規路史隆。
彼は、或る日自分と同じ顔をした相手によって異世界へと飛ばされる。
「救ってくれ」と願いを託されて。
その過去から「自分には関係ない」と距離を取って過ごしてきた彼は、どうにかして元の世界に戻ろうと情報を集める。
奨学金を返さないことには、施設庁にも、いまだ施設にいる幼い子らにも迷惑がかかる。
色々なことに距離を取っているとはいっても、切り捨てられないものを持っているあたり、常識人ではあります。
ちょっと歪んでしまって、一人であろうとしているだけで。
ともあれ、異世界に来てすぐにであった少女クローナの力も借りて、冒険者として街を回ることに。
現代日本で育ったキロに冒険者として活躍できる肉体的な素地があるはずもなく。
武術の指導教官と会うんですが、才能無いから教えないとばっさりいかれます。
弟子が死にまくっていたら仕事に影響するから、という事ですがあまり好感の持てる相手ではないです。
ただ、全く何の才能もない相手に「救ってくれ」という奴もいないわけで。
飛ばされた異世界は魔法のある世界で、それを工夫して、油断しなければ人並み以上の戦果を挙げられるように。
課題は多かったりしますが。
で、そうやって冒険者として活動していく中で、ある魔術師と出会う。
彼女は「遺物潜り」という遺品を使い、その持ち主がいた世界に飛ぶという突飛な魔術を作り上げていた。
とりあえずそれを学び、事件に巻き込まれたりしながら過ごします。
そうやって手を打って、遺物潜りを使えるようになり、もとの世界に戻ろうとしたら・・・49話で別の世界に飛んでしまうわけです。
まぁ、タイトルからして「複数世界の」とあるので、一章終わっただけで戻れるとも思ってませんでしたが。
しょっぱなからピンチになっているようですが、さてこれからいったいどうするんですかねー。
厄介な能力を持っているシールズに目をつけられたりして大変ですが。
なんだかんだと、最初に出会ったクローナと活動を共にして、安らいでる部分もあると考えるとなぁ。
これ一つの世界に行くたびにヒロインが一人増えていくとかそんな展開になったりするんだろうか。
元の世界に戻る手がかりを見つけたら、割とあっさり戻る決断をしていますが、さて盗品オークションとか暗躍しているシールズは今後何かしらかかわってくるんですかね。
一応帰る手段っていうのまで込みで遺物潜りですけど、さて。
結構いいペースで更新されているので、最近楽しみにしている作品の一つですねー。