「同盟者のグレ君に、友達作りに関する三つの言葉を与えるわ」
(略)
「我慢・忍従・妥協よ」
日本の人口の5%が異能力を持つ世界。
異能力者用の学校も設立されており、能力持ちは必ず異能力科のある学校に入ることになっているそうですが。
その中でも主人公はかなりレアな異能を発現していて。
「ドレイン」と本人は呼んでいますが……近づいた相手の体力を奪い、自分の肉体を強化するというもので。
オンオフ切り替えられば良かったんですが、常時発動型。
しかも接触による発動とかではなく、自身を中心に一メートルの範囲から無差別吸収という厄介さ。
通常1~5で測定される「どれだけその異能が社会的に役立つか」という貢献レベルで、0という特殊な判断が下されるほど、使いどころに困る能力。
これで異能バトル的な展開があれば、ヒーローにもなれたでしょうけど……異能がある、という一点が特殊なだけの学園ラブコメだからな……
その能力のせいで、彼はクラスの中で孤立していた……物理的に。
業平の偉い所は、これでグレたりせずちゃんと学生をやってるところですよね。
不登校になったりしそうなものですが。……と言うか、異能力科を設立するんだったら、そういう集団の中に置くとマズい能力者用の対策があるべきなのでは……
業平の「ドレイン」もそうですが、愛河の「チャーム」も本人たちが善良でも、集団生活送る上では危険極まりないと思うんですがねー。
閑話休題。
そんな強力だけど実際に活用しづらい異能を持つ業平が、同じくぼっちな女子生徒、高鷲えんじゅに友達を作る同盟をですが……
コントかな、という感じでから廻っていたりして笑ってしまった。
まぁ、灰色だった青春が色付き始めたってことで、楽しそうだからいいんじゃないですかね……
色彩の魔術師、Mika Pikazo先生の手腕光る表紙――『物理的に孤立している俺の高校生活』
http://ranobeprincess.hatenablog.com/entry/2017/06/28/034323