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「……きみの考えてることくらい、分かるんだよ」

(略)

「私が半分、背負ってあげる。もし駄目だったら、一緒に落ち込もう」

 

文化祭目前のある日、生徒たちが登校するとそこには変なイラストが描かれた張り紙があちこちに張られていて。

目つきが悪いピンクの、ペンギンとも天使ともつかないそれ。

美術部には絵を描く天使、奇術同好会にはシルクハットから鳩を出す天使、とデザイン違いのものを何枚も。

その目的は不明なまま……天使はどんどん増殖していって。

そんな中で葉山君がまた厄介ごとに出くわしたりしていますけど……彼はなんだ、そういう星の元に生まれたのか。

 

変な張り紙を張るだけならいたずらとして笑ってみていられたけれど、HPの改ざんをしたり、科学準備室に侵入したりと、冗談で済まない様子になってきて。

食中毒騒ぎを起こす気かもしれない。犯人を文化祭までに捕まえるのは、簡単ではない。

葉山君はまた一人でグルグルと悩み……先生に相談して、飲食系の出し物を中止にするという方向に。

 

……クラスメイト達の努力を水泡に帰す報告をしたことに、かなり気落ちしていましたが……そこに柳瀬さんが来て彼に手を差し伸べて。

いや、格好いいなぁ、本当。そして、感極まった葉山君に抱き付かれて照れてる場面は可愛かった。いいキャラしてますね、本当。

 

各章AパートBパートがあって、視点が切り替わりますが……そこにも仕込みがして会って。すっかり騙されました。

「天使」事件の本当の目的は、実行者たちにとっては大切な……とても些細な願いで。こういう遊び心ある事件は、好きですねー。