「真面目な事は結構。だが、物事には緩急というものが肝要じゃ」
短編集―。
「紙一重の天災教授」、「帝国宮廷魔導士アルバイター・リィエル」、「任務に愚直すぎる男・アルベルトの落とし穴」、「貴方の私の忘レナ草」、「二人の愚者」の五話収録。
第一話は……緊急職員会議が開かれて。
グレンも中々ロクデナシですが、他の教授たちもかなりの変人がそろってますよね……
そんな中でも、一級の変人。五階梯に至った天才ながら……斜め上に才覚を発揮し、周囲を大騒動に巻き込む、自然災害と同じ扱いを受ける「天災教授」。
この人にもうちょっと常識があったら、この世界をより良い方向に持って行けそうな人ではありましたが……残念度も突き抜けてるな……
2話はタイトル通りリィエルがアルバイトを試みる話ではありましたが……
猪武者の彼女にそんな高度なことを期待してはいけない……3話のアルベルトも、中々コメディよりでしたし。
……実は特務分室ってポンコツの集まりなのでは疑惑が。
いや、戦闘力とかそっちに極振りしてるせいで、他の分野にボロボロな部分があるだけですが。下手にスペック高い分残念部分がなお笑える。
4話は、白猫ことリィエルが魔法薬の効果で記憶喪失になってしまい。
解毒するために行動していますが……何者かの妨害も入って。
その真相が何とも残念なものだったというか、この学校生徒も極まった子が居るなぁ、という感じでした。
5話は、グレンの幼少期。彼が『愚者の世界』を編み上げるまで。
魔術特性を知った直後はやはりかなり荒れていたようです。
憧れていたような正義の魔法使いにはなれないけれど……魔術師として無様な姿でも、はじめて彼がオリジナルを使った時、それを肯定してくれる相手が居たのは、救いだったのではないでしょうか。