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「どちらかといえば、反対」僕は言った。「でも、亜理沙が自分で考えて決めたなら、どっちでも応援する」

 

「不正指令電磁的なんとか」、「的を外れる矢のごとく」、「家庭用事件」。

「お届け先には不思議を添えて」、「優しくないし健気でもない」。

以上五話を収録した短編集となっております。

葉山君が一年生一月の頃のエピソードから、収録してある最後の話の時点では二年生の十二月になっていたり、とどんどん時間は過ぎていますが……

 

葉山君は、変わらないなぁ。

高校に入学し、不可思議な事件に巻き込まれて。

『頼まれ葉山』なんて、あだ名がついたりしているとか。人がいいですからね……

携帯のデータ飛ばされたらもっと怒っていいと思うよ……?

 

卒業してからも、謎があると呼び出される伊神さん。まぁ、本人も楽しんでるからいいでしょうけど。

後輩たちから「そうだね。召喚しようか。あの人」「えっ? 何?」「式神か何か?」「人間離れしてますが人間です」とか言われる伊神さんよ……

 

今回掲載の話で一番楽しかったのは「お届け先には不思議を添えて」ですかねぇ。

OBたちが隠したかった過去の話、というか。いったい何をやってるんだ、みたいなオチがつくんですが、他人事だと笑えてしまいますねぇ。本人たちは本当に死活問題だったんでしょうが。あとがきでシリーズはまだまだ続く、と書いてありますので、7巻を気長に待ちます。

家庭用事件 (創元推理文庫)
似鳥 鶏
東京創元社
2016-04-28