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『危機って、面白いよね?』
元信は、言う。
『先生、よく言うよね? 考えることは面白いって。じゃあ、やっぱり、どう考えったって――危機って、面白いよね?』
だって、
『考えないと、死んじゃったり、滅びちゃったりするんだもんなぁ。すっごくすっごく考えないと解決できないと思うんだけど、それってつまり、――最大級の面白さだよね?』


相変わらずの川上節が光ります。
ネタが多くていったいどこからツッコめばいいのか悩みますが。
設定盛りだくさん、キャラクター大勢。おまけにキャラクターはほぼアクが強い。
エロネタとか、外道ネタとか多い。そんな作品なので、どうしたって合わない人は合わないんじゃないかなぁ。

前にアニメ化されていましたが、この厚さの原作をよく落とし込んでいた感じがしますので、この文章読むのはなぁ、って人はアニメから入ってみるといいんじゃないですかね。
コミックも、それなりに分かりやすいので、それでなお気になったら原作読めばいいんじゃないだろうか。
まぁアニメだと正純の父親とか普通に格好いいけど、割愛されたシーン見ると、うん、武蔵の住人だよなぁ、とある種納得してしまうんですけども。

過去栄華を極め、地球を離れた人類。
しかし、その力を以て争い、再び地上へと戻った。
争いによって多くの者が失われたが、記録は残った。だから、過去の栄華を取り戻すために、過去と同じ行動を行ったらどうだろうか、と人々は考えた。
歴史が記された『聖譜』。それに乗っ取った行動を『歴史再現』と呼び、人々は少しずつ進展してきた。
だが、今聖譜に記されていない滅び、末世が近付き各国は思惑を以て動いている。

主人公たちが住まう武蔵はそうした思惑の渦中にあって色々と制限を受けている都市なわけですが。
そんな中でもキャラの濃さ変わらないというか、抑圧されて煮詰まってんじゃないのかと一瞬思います。
外見ると案外そういうキャラ多いから、この世界の標準装備なわけですが。外道属性。
どうしてコイツラは身内で陥れ合うのが好きかなぁ。
点蔵なんかはからかわれるのが仕事の一部みたいな勢いですけど。
キャラの濃さはモブにも反映されているので、案外モブがガヤでツッコミ入れていたりしてその辺りも笑えたりはします。

アニメでは描かれていなかった場面で気に入っているのは、ミリアムの点数評価と御洒落の話ですかね。
東とミリアムも何だかんだでいいコンビですよねー。
今のところ、ミリアムがどんな価値を持っているのかっていうのが気になるところですが。
あのクラスに配置されて全くなんも関与しないっていうのはないと思うので、その内あるだろう東の回を待ちますか。
元信公の演説も一部抜粋されたものですし、アニメでは描かれなかったあれこれがあります。
まぁ、一から十まで描いていると、本当癖強くなりすぎるし、ヤバいネタもあるしであれぐらいがちょうどいいさじ加減なんでしょうが。

今回の一番気に入っているシーンはやっぱり、元信がはっちゃけているあたりですかね。東国無双と西国無双のやり取りとかもいい感じですし。1巻からいきなり状況を動かしてきたなぁ、という終わり方しますが。トーリが伸ばした手は届かなかった。失われようとしているものを、彼はどうにか得られるのか、というところで次回。