「真実なんて、分かってみればこんなもんです……綺麗なものじゃない」
第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。
まぁ、賞受賞したからではなく、イラストが白身魚さんだから手に取った感じで……積読の山に埋もれていたんですが。埋まってる間に2巻出ちゃいましたよ……
高校のジャーナリズム研究会に所属している工藤。
かなり冷めたタイプ、と言いますか。中学時代に何か失敗したようでトラウマになっているのも影響してか、色々なことから距離を取る消極的なタイプ。
研究会に所属しているのも、学生は部活ないし委員会に所属しなくてはいけない、という校則があったためで。
ただの枯れ木というわけではなく、脳の回転は速い方。
だから役回りとしては、日常ミステリの探偵役みたいな感じですね。ラノベですし、謎も余りガチガチに凝ってるわけでもなく読みやすかったです。
こういう消極的なキャラクターを動かすための相方が、モデルの経験もあるという白鳥真冬という工藤の先輩で。
その経歴から、学内の有名人だったそうですが、ジャーナリズム研究会に属していた割に、情報に疎い工藤は知らなかった様子で。
大量のノートを女子一人で運んでいる場面に出くわし、ぶつかってしまったために、放っておくこともできず関わることに。
ノート運びを手伝い……それが1冊不足しているという状況が発生し、結果的に工藤はその謎を解いて。
そこから真冬に興味を持たれ、ジャーナリズム研究会に共に属する事となって、真冬の持ち込む謎を工藤が解く、といういいコンビになってますけどね。
まぁ、工藤自身はこの状況にかなり戸惑ってはいるようですが。第4話の状況においては、彼の謎解きがなかったらまた厄介な状況になっていたでしょう。
1人救ったからって1人傷つけた事が正当化できるわけではありませんが、少しは救いになればいいんですけど。
トラウマ解消するためには、過去傷つけたって言う相手と和解できれば工藤にとっての最良でしょうが……相手にとっては「都合のいいことを」ってなるでしょうし、さて、解決の目はあるのやら。