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「その……伝えたいことが、あるんだ」

 

高校三年の時、片思いの相手は消えてしまった。

行方不明になったとかではなく、主人公以外の記憶から消え、彼女が存在したという記録もなくなっていた。

彼女が居なくなったことに耐え切れず、殻に閉じこもっていたある日、彼の時間は巻き戻り……高校三年の時代へと、たどり着いた。

 

彼女が居なくなることが無いように。

 

告白できなかった後悔を抱え続けることが無いように。

一週目の記憶を活用しながら、彼は二週目の時間の中で、少女との交流を続けることに。

友人たちにからかわれながら、一週目よりも彼女と親しくなって。

いやぁ、青春ですなぁ、という感じです。彼が強く後悔していたからこそ、この2週目に戻って来た部分があるみたいですけど……

そこまで悔いるのであれば、一週目で踏み込んでおくべきだったのではないかなぁ、とかちょっと思ってしまいますね。

 

なんらかの悲劇が起きそうな時、自分が体験したのと同じタイムリープ現象に出くわしたりとただの青春とはいかず。

主人公回りで見るならば、報われなかった思いが実り、彼女が消えることの無いよう尽力して、結果が出た感じではありますけど。

少年少女の青春模様としては、綺麗にまとまっていてスラスラ読めます。

タイムリープに頼りすぎている部分はちょっと、気にはなりますが。二度痛い目を見た後ですし、もうそれに頼ることが無いように、封じられることを願うのみです。