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「朝は夜の向こうにあるものです。正しく大人になるには、ひとつひとつ、誠実に夜を超える必要があります」

「夜?」

「暗く、静かな、貴女だけの時間です。夜がくるたび悩みなさい。夜がくるたび、決断しなさい。振り返って、後悔して、以前決めたことが間違いならそれを認めて。誠実な夜を繰り返すと、いずれ、まともな大人になれます」

 

階段島サイドと現実サイド、それぞれの思惑が入り乱れた状況。

捨てた方と捨てられた方、どちらにも言い分はあって、既に捨てた後であるため、判り合う事がない。

二人の七草による噛み合ってないというか、温度差の違う主張の場面とかは、いつも以上に青臭い感じがしましたねぇ。

 

それが悪いって言うんじゃなくて、七草という人間が、これまでより少し身近に感じられた気分。

理想と、妥協。全く持って不器用この上ない。でもそんな彼が嫌いにはなれない。

安達からは「歪んだ完璧主義者」と評されてましたね。「弱虫で、歪んでいる、痛ましい完璧主義者」とも。

彼の弱さが好きですけどねぇ。真辺みたいに直截的にはなれませんし。

 

今回は七草たち以外にも大人達の行動も結構多かった感じですねぇ。

トクメ先生が言った大人になるには夜を超えなくてはならない、という表現が今回一番気に入ってます。

物語的に見逃せないのは、かつて魔女だった時任さんが過去に一体何をしたのか、という事ですね。

全てはつながっているんだよなぁ、と。現実の方もかなり歪んだ形で状況が形作られているみたいですけど、ここからどういう答えを出すのか。

一歩を踏み出した彼らに幸いあれかしと祈っております。