「マイン、今度は何だ?」
「コリンナさんは髪飾りの権利が欲しいそうです。ベンノさん、いくらで買っていただけます?」
髪に艶を出す液――こちらの世界での商品名、リンシャンになってましたが。
それの権利をベンノに売り払った事で、マインはひとまず延命できるだけのお金を手にしていました。
しかしまぁ、ギルド長め。金額を低く伝えておいて、「用意できないならこっちで引き取ろう」と考えていたとか、あくどい。
けど、ルッツとかから切り離したらマイン即座に死にそうですけどねぇ。ギルド長の管理下にあったら多分すぐ死ぬ。
とはいえ、身食いについて問題が解決していない以上、貴族に買われる未来を選ばなければ、あと一年くらいしか保たないだろうという予想もあって。
覚悟を決めて、判断を下さなくてはならない、と選択を突きつけられていました。
それはそれとして、ギルド長の家で数日療養する事になったマインが、多少マシになったからとギルド長の家で料理人と一緒にお菓子作りしたりしているのには、笑ったというか……
ベンノでなくても頭が痛くなると思いますけどね。緊張感が長続きしないよな、マイン……
貴族に飼い殺しにされるか、家族と朽ちるか。
その家族会議の場面は、マイン達の絆が伺えて、涙が浮かびましたね……
マインの体力の問題から、ベンノの店の見習いになるのも難があるのでは、とマインが生活する環境について色々話し合いをしていましたが……
洗礼式で神殿に入ったマインが、本を見つけてしまい、暴走。まさかの、神殿入りコースに。マイン、もうちょっと冷静に動こうぜ……
神殿にかなりの魔力がある身食いとバレて、取り込まれそうになりましたが、ベンノからの助言と……マインの暴走、神官長のフォローなどが噛み合って、交渉が進んだのは、幸いでした。