「マイン、話せ。全てを正確に、嘘偽りなく、神に誓って述べろ」
「かしこまりました。カルステッド様。神に誓って嘘は申しません」
神殿に入ったことで、貴族からは逃れられなくなった。
その時に教養を身に着けているのといないのとでは大きな違いが出る、という事で。
側仕えを増員して、神官長から色々と教わったりしています。
ロジーナが久しぶりの楽器に感動して演奏し続け、周囲から不満が出たり、側仕えの仕事が出来ていないと齟齬があったりしましたが。
しっかりと言葉を交わし、ロジーナが意識を切り替えてくれて良かった。
少しはマインも成長しているのかなぁ、と思いきや。絵本を作ろうと、色々と動き始めて。
本に関わると暴走するのは、マインだからもうしょうがないんだろうなぁ。
まぁ、暴走するばっかりじゃなくて、ちゃんと周囲に利益も提供できているから、ついてきてくれる子も多いですけど。
孤児院の子供たちも、マインが料理の知識を提供したことで、彼女に対して好印象を持っているようですしねぇ。
神の恵みという神殿の習慣があるとはいえ、利益を出して、孤児院を救済したのは確かですし。……マイン自身は、「実のところマイン工房はかなり低賃金で子供まで労働をさせているブラック工房なのである」とか考えてましたが。
理不尽に虐げられていた彼らに救いの手を差し伸べたのはマインだけなんだから、そこはもうちょっと誇っても良いような……たとえ罪悪感にかられたくない、という始まりだとしても。
順調に進んでいるかと思いきや、神殿長はマインを敵視したままだし……
神殿に来た、騎士団からの協力依頼にマインが神官長と赴けば、平民の青色巫女見習いが気に食わない騎士から嫌がらせを受けてましたし。
貴族社会怖いな……青色としての扱いで、本当に良かった。ベンノに足向けて寝れないのでは。……今さらか。
エピローグでは、マインの魔力量に驚愕した神官長が、本来犯罪者に用いる記憶を覗く魔術具を使う場面が描かれていましたが。
現時点で、領主を上回る量の魔力とか。身食いとしてはありえない量とはこれまでも描かれてましたが、具体的に比較対象が出てきて。これは確かに貴族からは逃げられないだろうなぁ、という感じ。
マインの記憶に振り回された神官長が、頭痛の種を増やしながらもマインの価値を認めてくれて色々考え出したのでほっとしました。
少なくとも切り捨てられないだろうと、ここで描かれたのは大きい。貴族の横暴で振り回された後ですからね……
同調後のイラストで、神官長が固まっている感じがまたいい味出してました。