「――魔法師が道具として利用される構図は、魔法師を兵器として使い潰す現状と、何も変わらない。そのようなことは、認められない」
どんどん魔法師を取り巻く状況が悪化していくようで、読んでいて窮屈な感じがしますねぇ。
真綿で首を締められている感じというか、こういう搦め手でもなければ達也は真っ向から打ち破ってしまうので、彼の行動を縛るという意味ではありなんでしょうが……
もうちょっと爽快さが欲しいなぁ、と思ってしまう。
魔法という力は簡単に悪用されうるし、人々は情報に踊らされる、という意味である意味リアルではあるんでしょうけど、なんだかなぁ。
情勢が悪化する中で、達也が九校戦で使用した「能動空中機雷」が紛争地帯で使用された、何て事態も発生して。
それを受けて、九校戦実行委員会が、今年の開催を見送るという決断をして。
昨年の実施時に軍事色が強い協議に切り替えたのも逆風でしたねぇ。そして、他校からは達也の術式が原因じゃないかと反感を買う、と。
見ていて気持ちのいいものではなかったですね。
そして状況はどんどんと変化していって。
魔法技能を活用して、金星のテラフォーミングをしようという壮大な計画を他国が打ち出して。
そのプロジェクトにトーラス・シルバーを招きたいと言い始めたのでさらに厄介なことに。
緊迫した状況下において、達也の協力が必要だと十文字が説得に来てましたが……達也が勝利。相性が悪いと散々行っていましたが、ちゃんと対策を作っているあたりが流石。
そして隠された意図があるとも指摘して。十文字や七草といった十師族の若手がそこまで思い至らなかった辺り、思考が固くなってる疑惑はありますが。
達也の友人たちが、彼を孤立させない、と宣言してくれたのは良かったんですが――達也がトーラス・シルバーだと最後に暴露してくれる馬鹿がいるんだものなぁ。