「死ぬのが怖くないのですか?」
「さあ?」
大学生の波多野景はある日、死神を名乗る少女に出くわして。
唐突に「貴方は7日後に死にます」と言われてすんなり納得できる人は、少し頭のネジを落としてると思いますが。
信じさせるためにナイフ持ち出して、自分を刺して怪我してないでしょう? と振る舞う少女は怖い。
良く話を聞く気になったというか、恐怖で逃げてもおかしくないのでは。
まぁ、その辺り死神側で加味して、「自らの死」を明かされても影響が少ないという事で選出されているようですけど。
未練を亡くして死んでもらいたい。だから死ぬ日を教えます! って言うのは中々にぶっ飛んだ思想のような。
景の前にやって来た死神・供花はかなり堅物というか「死神とはかくあるべし」という枠に収まっている感じがしたので、よく死神側からそういうキャンペーンの案が出てきたなぁ、と感心してしまった。
一応他にも思惑があったらしいですけどねぇ。
未練なく逝ってもらうために、ひとつだけ死神が希望を聞いてくれる、という話になって。
景は、最期の7日間を供花と一緒に過ごしてほしいと告げた。
残りわずかだと分かっているから、これまでとは違う行動をしたりもしていますが……確かに充実した時間を過ごしていたと思います。
いつ死ぬかが分からないから、いつ死んでもいいように、後悔を遺したくはないものだなぁ、とか少し思いましたが。それが叶わないのも人生なんだよなぁ……
この作者さんの作品は実は初めて読んだんですが、結構読みやすかったので、既刊にもその内手を出してみたいところ。
……あの積読の山がもう少し減ったら。