「俺が出来なくても、オマエらは出来る。だから覚えておいてくれ。もし、自分に大事な人がいたら。その人が危険な目に遭っていたら、――オマエらは救えるんだ」
歩いて、
「オマエらは出来る。――出来ねえ俺が、保証するさ」
三河は消滅し、P01-Sは捕えられた。
トーリたちは、聖連に近い副会長の正純以外の権限をはく奪され、周囲に味方もいない。
君主が自分の手で自分の領土を消滅させた、なんて中々弁護できるものではないでしょう。
元より色々と制限があった武蔵のことでもありますし、P01-Sは嫡子ホライゾンとして処刑される流れも出てきている。
問題が山積した状態で、無能の代名詞である武蔵野総長兼生徒会長であるトーリはどう動くのか。
ま、正確には王になろうとするトーリをいかにクラスメイトたちが支えるかという話なんですけど。
シロジロが、金の話とかをしていますが、本気で政治の話というか、きな臭かったり面倒くさかったりする部分もしっかり描いているよなぁ、と思います。
唯一権力を持っている副会長を引きずり出そうと、臨時生徒総会を開くことに。
不信任決議を行うとなれば、さすがに出てこざるを得ないとかなんとか。
機関部の直政、騎士のネイトも正純側につき、トーリたちとの相対が始まる。
前回あった相対なんてオリオトライVS梅組と、忠勝と宗茂くらいですか。生徒たち同士のちゃんとした初の相対が、身内同士っていうのがまた何とも言えない。
いや、この作品のキャラ、大体が外道属性持っているので、割と身内同士でやりあってたりするんですけどね。
聖連に敵対してなお武蔵が飛べるのか証明を求める直政と、金の力で武蔵が戦えると唱える商人シロジロ。
力を持つ騎士であるが全てを守れるものではないと守るための道を模索する騎士ネイトと、最も庇護されるべき市民、鈴。
そして、暫定政府側について正純と、ホライゾンを救いたいトーリ。
臨時生徒総会の内容は結構充実していたものだと思います。
教皇総長の乱入や、追加の第四戦があったとはいえ、半分以上それに費やされていますからね。
そして、ホライゾンを救いに行くため、聖連との戦闘に踏み込んだ武蔵学生一同。
モブでも熱い場面とかがあるのはいいですよね。
アデーレが盾にされてる場面とかこんな状況でも笑えるシーンが挟まるのがなかなかいいです。
分厚い分気に入っているシーンはたくさんあります。
鈴が書いた作文「わたしのしてほしいこと」。
トーリが相対の時に選んだ先攻後攻の判断とその意味。
行動を起こしたトーリたちの前に立った、学長のエール。
見開き3ページぶち抜きのイラストは最初見た時は驚いたものです。
作戦立案のネシンバラの宣言とかも気に入っています。
『帰るべきところはあるかい登場人物達?』
ノリキも結構気に入っているので「行って来い。俺はここで、――一仕事していくから」っていう場面がアニメになかったのは少し残念に思ったものです。
ほかには、生徒総会において、正純が下した決断。王のそばにつく、宰相の道。
アニメだと正純の父親が本当に格好いいんですよね。
「現役でありたかったよなぁ……!」
正純に対しての態度や言動、小西に言われているように歪んでいるけど、愛情はあるんだろうなぁ、という感じで。
トーリがエロ不注意でハプニングを起こしながらも、過去の罪と向き合った場面。
そこも忘れてはいけないんだろうなぁ。
タイトルの意味。平行線の二人が交わる場所、境界線上。
安定の川上節で、毒された身としては満足でした。
やっぱり面白いですね。