「だろうよ。そら、哲学の時間だぜ、ハードボイルド。――お前は、なんのために生きている? それを見つけられない限り――止まっている限り、死ぬことすらできねえぞ」
時計塔の都市、クロノスエンド。
時計のように12の区画に分割された高層都市で、特殊な『時計』を用いた加速術式が存在していた。
本来なら専門家でしか持ちえないソレですが――非正規の所持者、もぐりの職人なんかも増えているようで。
主人公もそんな非正規の時計持ちで。
かつては正規の職員として時計を持っていたが諸事情で離れ、今は何でも屋をしてましたが……
ある日、地下組織に属する少女から、個人的な依頼を受けて欲しいと持ち掛けられて。
そこから色々と厄介事に踏み込んでいくわけですが。
少女の事情に巻き込まれたというよりは、足を止めていた主人公の時間が少女と出会った事で動き始めたという方が正しいでしょうか。
加速時計という、頂上の力を持ちながら自分の生きる時間はままならない、ってあたりは皮肉が聞いてると思いましたけど。
主人公の友人、ロルフの哲学が中々好みでした。