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「じゃ、出会うのは無駄か?」
「全く無駄だ。完璧な存在であれば、本来は誰かと出会う必要などない。出会い、語るのは己に何かが欠けていて、それを埋めようとするからだ。だが悲しいことに、全く持って完璧とは程遠い。だから他人と出会って寂しがる感情を埋めなきゃやってられない。つまり――出会いは贅沢なものだ。そう思えば、どんな不快な人間と出会っても我慢できるぜ」
「なんて捻くれた理論だ」


やっぱり四巻で終わるはずがなかったんや…ということで。
後書きにもこんな叫びが乗っていました。

「きのこ。全四巻で終わるといったな。あれは嘘だ」
「だから言ったじゃんか、これ四巻で終わらないって!」


まぁ、無理にまとめようとするよりは派手に書いて冊数増えたほうが読者としてはうれしいです。
下手なたたみ方されると一気に萎えますし。
巻頭のカラーイラストは、赤の陣営のサーバントたちの能力。
まだ明かしていない手札もあるようで、さてこれがどうやって展開されていくのかが楽しみでなりません。

今回退場したのは黒のアサシンだけで、あまり大きく動きはなかった感じですかね。
いや、フィオレが自分の道に対して決断を下したり、赤のアーチャーと聖女の間に因縁が発生したりと、順調にイベントはこなしていっているわけですが。
黒の陣営が準備を整えて、攻撃を開始したところで幕。
さて、誰が勝ち抜きますかね。
黒のアーチャーと赤のライダーの戦いなんかも気になりますし、キャラが多いのに、魅力が減衰していないのはいいですねー。

シロウの陣営、黒の陣営、黒のアサシン。
前回築かれていた三つ巴な状態は、アサシンの退場で無事に元の二極となりましたが・・・
まぁ、あれを無事と言ったら色々と問題はありますか。
空中庭園で逃げるシロウたちに、いかにして戦いを望むのか。
フィオレ、思い切ると怖いね……。

気になっているのは、赤のセイバーの同行。
個人的には獅子劫の過去とかにはなかなか壮絶なものがあって流石は魔術師という感じですが。
獅子劫はこのシリーズでも特に気に入っているキャラです。
でも、なんか彼らに勝ってほしいという気分にはならないんだよなぁ。
セイバーたちの目的とかよりも、ルーラーが二人いる大戦というシチュエーションに目が行ってしまうので。
なんかあまり一騎に入れ込むっていう読み方をしていない気がする。

個人的な話はさておき。
空中庭園に攻め込んだ以上、もう撤退するという選択肢は飛び越えた場所に場面はうつりました。
シロウの願いは実現するのか、英雄たちの因縁の対決はどんな決着を迎えるのか。
次が待ち遠しいところです。