「でも、拙は連れて行ってくださるのですね」
(略)
「君がいないと、死ぬ」
そして始まる、ロード・エルメロイⅡ世最後の事件。
冬木の聖杯戦争が着実に準備が整う中、ドクター・ハートレスの陰謀は進み……
連動するかのように、時計塔の君主達が動く。
いや、実際に繋がっている部分もあるんでしょうけど、未だ明らかにならず。
『冠位決議』。時計塔で行われる、君主や代行が集まる、意思決定の場。
かつて、エルメロイ派が鉱石科から外され一件、現代魔術科に据えられる事になった一件。そうした派閥を超えた決定を下す際の決議の場だとか。
議題の重要性に応じて出席率も変わるようですが。今回は、貴族主義、民主主義の筆頭派閥の君主が動いていて、エルメロイ派も否応なく巻き込まれてました。
ま、ハートレスの影が見え隠れする時点で、Ⅱ世に退くという選択肢はないわけですが。
いやぁ、君主って言うのはどいつもこいつも化け物揃いというか。少しでも油断すれば足を掬われそうになる。
それぞれの格を感じさせつつ、上手い事凌ぐⅡ世やライネスの姿が見られたのが良かった。
というか、ライネスは義兄にいじわるしたりして、楽しんだりしてますけど、割と魔術師のわりに真っ当というか。
「……ああ、私だって、この兄がいなければ、きっとその程度の読破平然と飲むからだ」とか考えているあたり、お兄ちゃん大好きかよ……
大好きといえば、冠位決議に備えエルメロイ教室の授業を停止した後の生徒たちの動向が受けた。
失踪した教授を探そうとして、通りそうな場所を使い魔で一日監視したり。
追いかける為に憑霊用の触媒準備したり、君らは君らで教授が好きだねぇ……
あと、今回は君主たちと対面するⅡ世・ライネス組と、ハートレス絡みの調査をするフラット・スヴィン・グレイ組に分かれてましたが。
情報共有のための手段が、可愛かった。正確に言えば、それをはじめた見た時に目を輝かせていたというグレイを想像するともう……ねぇ。
各派閥の思惑が入り乱れた状況。ハートレスはある程度は見破られても……そこで詰むだろうと予測してましたが。
それをどう乗り越えてくるのか、予想もつかない……というか、おい。落ち着けハートレス。いや自陣にのみ英霊なんで札があるなら切らない方が損というか。だからって初手宝具とか容赦ないな……