「そっか……息子も冒険者の道を選んだんだな」
2.5にアップデートしたソード・ワールド世界。
アルフレイム大陸の冒険者や時には蛮族の生活の様子が描かれています。
新米が旅立ち、先達が引退を決めて。
そうした冒険者たちを日々見ている受付嬢の話があって。
10の視点からなる物語は多くが煌めいていました。
中にはアルフレイム大陸の、蛮族の厳しさに犠牲になる物が居て、落伍する冒険者もいて、と世知辛いエピソードもありましたが。
それも含めて、いい味出していました。
特に気に入ったのは「コカトリスの丸焼き」、「手旗信号士ジャックの完璧から程遠い日」ですかねぇ。
「コカトリスの丸焼き」は料理に情熱を燃やす神官と出会った冒険者たちの馬鹿みたいな冒険の話。未知に挑む姿は中々に愉快でした。
「手旗信号士~」は鉄道が発達した世界には確かに必要な役職だろうなぁ、とも。
今回描かれた一場面は、決して珍しいものではないだろうと予想ができてしまうあたりも物悲しい。