「――覚悟しろ、ジャバウォック。この剣にかけて、お前は俺が討つ」
九州へと急ぐ一真達。
道中にジャバウォックの罠があり、戦闘になるもののそれを突破して、九州総連と合流。
けれど、そこにもジャバウォックは仕込みを遺していて。
……付け入る隙を与えてしまったのは、当代の人類という気もしますけど。
死体を操り、人の騒乱を誘う手口。これが王冠種と呼ばれているのは看過しがたい。
冠ってのはすなわち権威の象徴でしょう。ジャバウォックが持つ力は確かに強大で、畏怖の対象になるかもしれませんが。
それは天災のようなもので、王ではないと思いますがね。
しかしまぁ、なるほど人類退廃の時代と銘打つわけだ。
人員不足、危険な土地。復興しても王冠種に潰される可能性もある。
発展するための難易度が極めて高い世界。
よくもまぁ、根絶されてないものだなといっそ感心しましたけど。しぶといなぁ、人類。
「こんな土壇場で覚悟を問うべきじゃない」と言って、一真は守るために前に出ていましたが。
人類最盛期を生きた彼の在り方と、今の世界では様々な点で差異が多く。
すり合わせが万全じゃない。温度差をあちこちで感じましたね。
一真、戦闘能力が抜きんでてるだけじゃなくて、色々と頭も廻るし敵の工作を見抜いたりも出来るけど、前提知識が足りてないから、詰めきれない部分がどうしてもあるよなぁ。
もう少し時間があれば、あるいは違う結末になったかもしれない。
……その場合、敵の準備期間も伸びるし、そもそも大山祇命が限界っぽいですから、この状況で一真達みたいにまとまった戦力が居るのは僥倖ではあるのか。
敵側にいいように振り回されてしまってるので、痛快な反撃を期待したいところです。