「今までと同じように、何か訊かれれば普通に答えるさ。ただ――そこからは名実共に、君と俺は対等の魔法使い同士になる。そういうことだ」
(略)
「それは――滾るでござるな」
入学から半年。
順調に学園にも馴染み、六人の絆も深まっているようです。
カティがかなり成長したという印象でしたね。
あの優しい少女はこの魔窟で心折れてしまうのではないかと思っていたのですが、彼女なりの理を見つけ、そこに至るための道を進む決意をしていた。
ピートがここにきて個性強くしてきたなぁ、とか。
シェラがとんでもない隠し玉もっていたとかも驚きの場面ではありましたが。
この作品の一番の肝は、キンバリーという所の恐ろしさ、なのではないかと思います。
危険だという事は一巻から明示されていましたし、事実色々とオリバー達は巻き込まれてきたわけです。
……今回は、ガルーダを倒したオリバーとナナオの名声によって一年生最強決定戦、なんてイベントを引き寄せてきたわけで。
それに参加の名乗りを上げたのは彼ら自身ですから、自ら踏み込んでいってる部分もあるにはありますけど。
講師が生徒に魔法使いの優位性に「簡単に死なないこと」を上げてくる怖さ。
絶対彼ら、確かに魔法使いは死に難いけど――死んだら死んだ。そこまでの事でしょう? とか思ってますよ。
実際ダリウスが消えた事も、「まぁ、そういう事もあるよね」とかそんな感じでしたし。
そんな中で、リチャード=アンドリューズがオリバーとナナオの言葉から自らを正したように。トゥリオ=ロッシにオリバーが説いたように。
シェラとナナオがコーンウォリスとフェイに示したように。
先に進む意思が、とても眩しく見えて――急転直下のラストに絶望を駆り立てられるわけですが。
これは、卑怯だ。こんなの続きが気にならないわけがない。1年生編ラストとのことですが、はたしてどれだけが生き残れるのでしょう。
そして、1巻の時も思いましたが、これで卒業できないの2割って絶対嘘だろ……