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「へぇ、そうなんですか。それで、ルッツは何と言ったんですか?」

「姫様のことを、どこが違うのか、どのように違うのか、どおうするのが正解なのか、一つ一つ指摘しなければならない商売相手だと評していました」

 

プロローグの、ローゼマインが見ることない神殿の側近たちの様子が新鮮でした。

貴族に対する価値観の違い。ローゼマインが、異質であることを、ローゼマインの側仕えしか経験したことがないギルと二コラが分かりかねている事。

他の主を持ったことがあるフリッツやザームの判断基準の事。

フリッツが側仕えに加わってくれていて良かったなぁ、という場面でしたね。放置していたら、ギルの不満は良くない形で発散されて、第二のデリアになってしまっていたかもしれない。

「悪いことではなく、立場や考え方の基本が違うというだけのことです」という発言は中々に大きい。

 

印刷業を進める為に、最初の契約魔術を解消する事になって。ローゼマインはやはり不安定になってしまってましたね。

まだまだローゼマインが「帰りたい」と思う場所が城ではなく神殿っていうあたり、貴族社会は難しい。いや、本当フェルディナンドいなかったらローゼマイン生きていけないよな……

まぁ、何かあったら本気でつねられたりして、フェルディナンドも甘えられる対象としては若干の距離感がありますが。

 

貴族院に戻って社交をする事になったものの……価値観の違いから、王族、エグランティーヌとの対面でユストクスが胃の痛い思いをしたり。

全領地を招けば、最期には気を失って大騒ぎになったりと……領主候補生のローゼマインの不在はかなり学生たちにとて大変だったようですが、居たら居たで大騒ぎになると思いだせたことでしょう。

 

巻末の短編は、ルッツ視点で「時の流れと新しい約束」、エグランティーヌ視点の「卒業式と祝福の光」。

エグランティーヌ視点が新鮮でしたね。第一位の領地の関係者が出てくるわけですし。

……ローゼマインが、祝福でシュヴァルツ達の主になった、と言ってたから王子に疑いもたれてたのか……

ローゼマインに婚約打診するか? という話が出て、魔力が釣り合えばと第十三位の事を下に見てましたが、逆に成長によって彼女の方が多くなると思うんだよなぁ……

貴族の自尊心刺激してしまうし、常識外の存在だろうから、誰も想像しないでしょうけど。