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『助けたかったんだ……それだけだった……なのに』

 

やがて死を迎える人の幻影が見える『僕』。

それは普段は薄い影のようだが、死が近づくにつれてどんどんと濃くなっていく。

『僕』は何度か、幻影を見て死を食い止めようとしたものの、失敗し、折れてしまった。

 

不登校になり、フラフラと日々を過ごす中で、ある幻影に救われた。

溜め込んでいた感情を吐き出すことで、心の安定を得て――その幻影の『君』に恩を返したいと、彼女の下へ足を運んでいた。

幻影が濃くなったら、彼女の死が近づいた、という事だから。警告ぐらいは出来るだろう、と。

 

近いうちに死ぬよ、と言われて信じてもらえることはほとんどないけれど。

いざ、彼女と出会った時。危険を知らされた彼女は――ちゃんと話を聞いてくれた。

幻影に訪れる死を遠ざける為に協力もしてくれた。

 

いくつかの幻影は実際に死をもたらす事件とかを阻止する事が出来てました。

命を救えたことは素直に喜ばしいですけど。

多分、それ以上に『僕』が救われてるんですよね。

あまり語りすぎるとネタバレになってしまうので難しいな……少し前の作品ですが、オススメです。