「貴方が救えなかった人達より……救えた人達を見て欲しかったの」
ロクでなし魔術講師と禁忌教典の短編集、3巻。
これも積読の山に埋もれてて4巻出て笑った。笑えない。
いやもうホント最近本読めてなくて泣きそう。
閑話休題。
短編集としては、うん、グレンの周囲はいつも賑やかですね……
「魔導探偵ロザリーの事件簿」。魔導探偵になったグレンの後輩の話。ただまぁ、創作のキャラに憧れた情熱で突っ走ったポンコツで、容量の問題があり、魔術をほとんど使えない。
グレン並みに金銭感覚怪しいキャラが出てくるとは……よく今まで無事だったな……
「魔術学院わくわく体験学習会」。生徒会主導で、学院への入学を目指す子供に雰囲気を掴んでもらおう、というイベント。
閉鎖的な学院にしては珍しいもので……しかも見切り発車な部分があり、募集は殺到したものの準備が整っていない。
最終的にグレンが引っ張り出されて、混沌とした状況を作り上げた後にまとめてました。ギャップの演出が上手ですよね。夢を見るのをやめろ、と昔なら言っていた。
それを認めた上で彼が行った講義は、きっと素晴らしかったんだろうな、と思います。
このエピソードの後に「生徒会長と混沌議事録」を持ってきて、ふざけまくったグレンを描写するあたり作者さんは鬼だ。いいぞもっとやれ。
教育方針についてデモを起こした生徒がいて、生徒会長に腹案はあるものの時間が必要……ということで、交渉の結果グレンがデモを起こした生徒たちの前にたって時間稼ぎをすることに。
適度にふざけて生徒たちをガス抜きしつつ、真面目な議論もしたりと揺さぶり続ける様がすごい笑えました。
そのあとの「誰がために金貨はなる」もある少女の為に奔走するグレンのエピソードでしたし。
セラがまだ健在だったころのグレンの過去を描いた短編「White
Dog」も収録されていて、今回はやたらグレン押しだったなーという感じ。