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「本当に、ボクは、お前の望みを叶えてやりたかったんだ」

 

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、ここに完結。

ハートレスの思惑を阻止するべく、霊墓アルビオンに突入するⅡ世チーム。

そして冠位決議に挑むライネス側のエピソードの、同時進行。

どちらも面白かったですねぇ。魔術師の業というものを強く感じた。

 

Ⅱ世達の状況から始まります。

一日足らずで、深奥まで簡単に辿り着けるような場所ではなく。

フリューの伝手で情報やなんかを得てましたが、こんな所にまで伝手あるあたり傭兵凄いというか。

彼の師父殺しという異名についてもしっかり触れてくれて満足。微妙に気になってたんですよね。

即席のチームではあれど、実力者揃いであるので何とか先に進んでいました。

その中に混じったⅡ世が要所要所で自信ないことを明言してて、ちょっと笑ってしまった。

 

冠位決議に望むライネスが、アルビオンの工房を見学したりしてる一面もありましたが。

秘匿をなげうった複合工房とか、そこで行われている蕩尽とか、魔術師の側面を見られたのは新鮮でしたね。

一筋縄ではいかない決議の場に、油断ならない相手を引っ張り込んでくるあたりライネスも策士というか。暗躍好きな魔術師ですよね。しかしあの人形師、とことん自分のやりたいように場を作るな……

 

最後、全てはⅡ世がハートレスを止められるかどうか、という局面になって。

残り14分という時間で、答え合わせに時間を割くあたりが彼だよなぁ、と言いますか。

魔眼蒐集列車の時のような激しさはなく。思ったよりも、静かな幕引きになったのは少しだけ、意外でした。

……そこに至るまでが大変だったんですけどね!

 

グレイが、良い立ち回りをしてくれていましたね。

内弟子としての彼女が、彼をエルメロイⅡ世として引き締めさせた、というか。

わざと間違えた言葉を口にした時。師匠にも言わぬ秘密を得た時。

「君が居なければ、困る」というロードの言葉が、彼女たちの日常そのもののようで、綺麗なエンディングだったと思います。