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「――貴様は、打ち滅ぼすべき敵だ」

 

『精霊使いの剣舞』の著者が送る新作。

最強の魔王は勇者たちに倒される前に、自らを封印し1000年後に復活。

しかし、天性の秘宝が上手くいかなかったのか、10歳の少年の姿に戻っていて。

封印されていた遺跡を探索していた少女たちに救助されていましたが。

 

知識の断絶や、かつては存在しなかった敵対種「ヴォイド」や、今を生きる人類が扱う武器「聖剣」など変化は著しいものがあって。

表層を取り繕いながら情報を集めたり、発見者の少女に事情を打ち明けて共犯者にしたり。

最初こそ能力を隠そうとするつもりも散見されましたが。

終盤、大規模な襲撃があってかなり派手に失われたはずの魔術を行使したりして、この後の言い訳大変そう。

状況が変わりすぎているので、事情を知ってる相手を増やした方が、動きやすくはなりそうですけどね。

 

ラノベらしいラノベと言いますか。

あらすじから想像できる通りの世界観を描いていて、面白かったんですが。

難をあげるとするなら、情報量が多いってとこですかね。

魔王時代、勇者に「貴様までが人の身を捨て、神々の使徒に堕するとは」とか零してる辺り、一概に勇者をたたえられなさそう、というか。

レオニス自身に出来る事が多すぎるので、それの説明。変化した今の時代の事情。キャラクターも多いので、薄味になってる場面もあったかなぁ。
伏線が多いから次回以降に期待が持てる、ってことの裏返しでもあるんですが。