水の冠、百題の感想。
略称は水冠のことも。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。

1-3『勃発』
「おかねがほしいの?」
オーティスがこぼしてしまった口癖。
それを聞いた少女が、行動力を発揮する話。
暴虐で知られる領主を選んだ辺りは、ちゃんと判断したのだろうか。
一番近くだったとかじゃないといいなぁ。
暗黒時代のエピソードですし、暴虐じゃない方が少ない可能性も……?
ま、城が破壊されたと知った民衆に暴動起こされる統治者だったみたいだし自業自得。

1-19『平均』
「君と同じ『惨禍の子』だ。
 さぁ占い姫、迎えに来たよ。僕たちは―――― この国を壊すことにした」
暗黒時代の、滅びた国の忌まわしい実験の記録。
そこで生まれた十四人の復讐者の始まりの断片。

1-78『守護』
「どう呼ぼうとも本質に変わりはないわ。好きに呼べ」
オーティスが最初に召喚した魔族の話。
彼が幸運だと思っていた出来事。
事件が起きた後、彼がそれを不運と思ったのか。
誰も知らない、という結びが綺麗で好き。

2-29『泣けない少女』
「一緒においで」
ヴェオフォルミネが覚えていた、母の記憶。
守られることがなかった約束がただ切ない。

2-50『金色の残光』
「わたしには、だいじなこと」
オーティスと合流した後の旅路の一幕。
彼が国を出る前に会えていたら。
そうでなくてもオーティスの紹介状をもって国へ行けば。
良い生活が出来るだろう、という彼にあなたがいないから、という少女の頑なさがいいですねぇ。

2-77『響く崩落』
「そうやってお前らが魔法士を差別するからなあ…………あいつみたいな奴が生まれたんだよ」
オーティスとヴェオフォルミネが協力して野盗を捕える話。
ヴェオフォルミネが手加減抜きで生き埋めにしようとしてて、ちょっと笑ってしまった。
オーティス、ブレーキ役として頑張れ。

4-72『陰影』
「そうだ。これからの大陸がどうなってくのか、お前の目で直接見てくれればいい。それで俺は満足だよ」
オーティスが、備忘録的に色々記録をしていて。
ヴェオフォルミネが、半分、ずっと先まで書いて置こうと言って。
彼女が見えた物をつらつら書いたら、そのまま預言書だろ……。解釈には困るでしょうけど。

5-16『町一番の美女』
「……お前ら、なんで俺の存在無視なんだよ」
結婚して、人里離れた場所に家を構えて。
買い出しの為に街に下りてきたときに、ヴェオフォルミネが求婚されると。
途中で対応に飽きて「ぐしゃってしちゃう」と果物潰してる辺り能力の無駄遣いとみるべきか。
ただしつこい求婚者を追い払うのには成功してるから、これはこれでアリか……?
毒されてる気がする。

5-45『深海の調べ』
「おぬしはいつも無駄に忙しそうじゃなあ」
オーティスの下にまだエルシリアが居た頃のエピソード。
人と出逢い精霊と呼ばれ、変化を感じていて。
それが、不快ではないという一文が、不思議と胸に残ります。

5-47『命懸けの恋』
「オーティス、恋をするってどんな気持ち?」
式の最中に、聖堂の塔から飛び降りた花嫁。
ヴェオフォルミネと同い年だという彼女。
その行動を見て「恋をするとは」とオーティスに問うて。
「人それぞれ」という回答が、すべてではありますよね。