百題感想、Babel編。
数が多いので分割してます。百題1~2について掲載。
数が多いので分割してます。百題1~2について掲載。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。
1-1『洗脳』⇒IPの項
1-6『片手』
「本当に生きてたのね。手紙は届いていたけれど」
結婚してから、エリクの実家に顔を出すことになった雫。
日本人としては、家族への挨拶という事で緊張している彼女の気持ちの方が分かるなぁ。
エリクが自分も尋ねるの何年振りかな、みたいないつもの調子でしたけど。
現代地球でもないと、そうホイホイ遠方に行けないですしね。
……魔法師が転移使えるから忘れがちですけど。
アヒルの銅像が夢でよかった。
ラルスがBabel本編で書の効果を確かめる時にも銅像建立しようとしてましたけど。アヒル。
人気なのか……?
人気なのか……?
1-8『始末』
「で、この始末どうつけるんだ?」
まだ雫が言葉を覚えている最中の話。
ラルスの悪戯好きにも困ったものだ、と言いますか。
雫も疑おう。その王様、延々ニンジンを避け続けてる人なんだから、早々変わらないよ……
1-11『心痛』
「誰のせいですか!」
悪戯心を発揮して、ニケをツルツル頭にしたラルス。
いやぁ、これは純粋にひどい。動揺した雫が「結構似合ってる」とかいってさらに不憫。
雫がラルスに抗議しに行って、王の返答に「空耳だろう」と断じてて笑う。
うーんこの忠誠心の薄さと、打てば響くやり取りが楽しい。
レウティシアに遭遇しなかったら雫は本当にやっただろうな……
1-12『桜花』
「瓶詰の花弁は、宝物のように今も記憶に残っている」
姉妹と見に行った桜の記憶。
繋がる引用した一文が好きです。その前の行が「全てはもう遠い日の風景だ」なんですよね
。
離れてしまったけれど、彼方であろうと、今も残るものがある。
こちら側の世界を選んだ雫の決断を感じて、胸に染み入るものがある。
1-15『欲望』
「け、けんこうは、にばん。しおがだいすき」
まだ単語勉強中の雫の叫び。
「ファーストフードが食べたいです」。
わかる。たまに無性に食べたくなりますよね。
そこで自分で作ってみようとなるあたりは凄い。
いや、実際こっちに残った以上、食べたければ基本的には自分で作るほかないんですが。
それでちゃんと美味しくなって、求めるものにならなかったあたりは……お約束。
1-20『大声』
「面白そうだな」「面白いですよ」
雫がラルスに借り物競争を教えて、実行する事に。
ラルスにくじを作らせなかったあたりは流石ですが。
有志が作ってなお重傷者多数って何やってるんだ……
1-22『本棚』
「あんた、魔法にすぐ頼るから腕力なくなっちゃうんだよ」
野菜を運んでいる雫に見つかって、手伝わされることになったニケの話。
魔法に頼ってばかりで筋力ないと老後困るとかばっさり行くあたり雫は流石。
そのあと、別件で筋肉痛になったニケはお疲れ様です。
1-24『本音』
うーん、可愛い! 親馬鹿だって言われても可愛いぞ! 俺には(多分)似てないし!
俺とエリクの会話。
親バカだなぁ、というか。
子供に剣を教えたかったけど、女の子だから躊躇っている俺に教えればといえるエリクは相
変わらずですが。
実際教えることになるんだから、人生判りませんね。楽しそうで何より。
1-33『密室』
「そうだけど。そこには浪漫があるんだよ」
ミステリの密室。
魔法があるなら転移で出ればいいだろう、というニケのバッサリ具合に雫がそれはダメとい
う話。
文化が違うと合意を得にくい部分はあるよね……
1-34『広大』
「それで? 誰をどういう理由で殺したいんだって?」
酒場に殺しの依頼を持ってきた少女とカイトの話。
結局依頼はしなかったんですが、この二人の会話がなんか好き。
1-36『不明』
「剃るなら自分の臣下を剃れ」
ラルスの所業によって髪が無くなり、王妹の手で復活。
それを見たラルスがまた剃ろうとして……懲りないなこの王様!
「彼」が近くに居て止めてましたが、やるなら部下を剃れって言ってる時点で実は止めてな
いのでは?
1-37『平等』
「メアは二人のお姉ちゃんだから。一緒に食べてね」
子供たちが幼い頃の雫とメアの会話。
3時はおやつの時間、とパンケーキを焼くあたりマメだなぁ……
1-40『給料』
「それはまた面白い立場になったね」
賭けの商品としてレウティシア直属にされたハーヴとエリクの会話。
給料絡みの世知辛い話(エリクは面白がってましたが)と、この時代のことについて。
魔女の痕跡が残された時代そのものは、面白い、と。やりきれなさも同時に感じているようでしたが。
1-41『曇天』
「面倒ごと面白いじゃないか。よし、面倒ごと起こそう」
逸脱者二人と、ラルスの話。
事情を知っているとは言え臆さないなぁ、ラルス。
むしろ面白がっているあたり肝の大きさは相当だと思います。
そして思い付きで矜持を砕かれた武官諸氏は、えーっと、その人常識の範囲外だから気にしすぎない方向でひとつ。
1-43『断熱』
「エリク、ちょっといい?」
お菓子とかもろもろ、興味ない人はとことん興味ないですよね……
開発者特権でおすそ分けをもらえる雫。
それをエリクが預かって……保管場所が、悪かったんや……チョコは溶けるよ……
1-46『鉄柱』
「どうしたんですか、王様」
訓練用に発注された鉄柱。それを見て、拷問器具を想像する雫よ。
いや、想像するのは止めないけど、その勢いのままラルスに言うのは止めよう。
面白がって実行する可能性すらあるから。まぁ、今回は無難なところに落ち着いてましたけど。多く入荷した分、コースを長くしようっていうのは、地味にキツイと思うけどなぁ。南無。
1-48『磁力』
「面白かった?」
室内をはい回る子供と遊ぶエリクの話。
なんか結構新鮮でしたねー。
1-51『請求』
「まぁ……元気でやってるんだろうけどな。そういうやつだし」
魔女との戦いに参加したターキスとリディアの会話。
なぜか雫には合わせてもらえず、生きてるとは信じていて。
次に在ったら、質問をしてやろうと思っていたターキスがそれらを投げ捨てて聞いたことが、穏やかで好き。
1-53『笑顔』
「こ、これは……」
妹から渡されたプリント。
それを元に、調理用の魔法具開発までして三か月の時間をかけて完成した、魔性のスイーツ。チョコレートは、どこでも女性に人気ですね……
1-56『無知』→IPの項
1-59『会話』
「ええ。城の中庭ででも食べましょう」
結婚して城を離れたレウティシア。仕事は引き継ぎしたものの、ファルサスの魔法師のトップとして、確認しなくてはならない事もままあって。
定期的に城に顔を出しているようですが、夫婦幸せそうでいいですね。
ラルスという爆弾は居ますが。
1-62『必要』
「してから後悔しても遅いぞ」
ユーラの話。隣国へ密偵に出される前。
『普通』を装う事も覚えろ、と教えてくれる先達が居たんですねぇ。
普通を尊びながらも同僚からは危険人物扱いされてるみたいですけど。まぁ、上手く折り合いつけて日々を過ごしてるのは何より。
1-63『期日』
「お前の字は汚い!」
国境結界の調整日。隣国との調整も必要なそれ。
レウティシアに魔法士の予定もあるからこの日かこの日が良い、と言われたが肝心の日付が思い出せず……誤魔化し方が、ひどくて笑った。
1-65『少女』
「緊張します……」
庭師少女とハーヴの話。
鉢を実家に移す際の注意事項を聞こうとしたら、少女も一緒についてきて。
エリクの言う通り順調に外堀埋められてますねー。
この二人のやりとり結構好きです。
1-68『所有』
「いいか? あの男の言うことをあまり信じるな」
本編完結直後、まだ言葉が不自由な雫。
彼女にラルスがろくでもない言葉を仕組んで。
オルティアが速攻で突っ込み入れてましたが、なにしてるんだあの王様。
雫とオルティアのままならぬながらも、静かに通じ合ってる空気に和む。
1-73『結晶』
「ええっ! 何それ」
子供が宿ったときの雫と周囲の話。
メアの言葉を上手く受け取り損ねて、エリクが雫の反応に真面目に相槌打ってる場面にはなんか笑いがこぼれてしまった。
その後、黒猫もやって来たり、サポート体制が整って。無事に生まれて良かったです。
1-80『喪失』
「ねぇ? ……もういいの?」
ラルスが父にも明かさなかった、ある出来事。
それ以来幻聴ともいえる、女の声が聞こえるようになって。
その呪縛が解かれた切っ掛けが、尊い。
1-81『謝罪』
「いいよ、別に。僕も悪かった。目的語を確かめなかった」
結婚した直後の雫とエリクの話。
言葉って、難しいですね……いやまぁエリクだからこうなった感もありますけど。
1-82『回転』
「ごめん、こんなことになるとは思わなかった」
ラルスに対する雫の攻撃があらぬところに被害をもたらして。
雫もラルスに対して危険なネタばっかり放るんだものな……
まぁ彼女的には、ラルス本人がたまには痛い目見ればいいって思ってるっぽいですけど。
安定の巻き込まれ役ニケに合掌。
1-83『年齢』
「そうだといいね」
成長した娘と歩いていて、姉妹と間違われて。
今は自分が姉と思われているが、万一娘の成長に合わせて妹なんて呼ばれたら。
大人になりたい、という叫びが切実だった。彼女の稚さを誰も指摘しない、というのも味があって良い。彼女はそうあってほしいと誰もが思ってるってことですよね、コレ。
1-91『偽善』
「ありがとうございます。私、考えるのって好きなんですよね」
偽善者と呼ばれた雫と、それを目撃したユーラの会話。
ユーラの哲学が好きですねー。
「他人の評価に惑わされる必要はありません。ご自分で好きにお考えになればいいのです」
という軸のハッキリした感じも素敵。
1-94『斥力』
「今日は泊まるぞ」
ラルスとオルティアの夜。
何も言わず、聞かず。
月の冴え渡る夜の二人の会話が、いい感じです。
1-95『時計』
「これ、鳩が出てくるんでいいんですよね?」
ティナーシャ作の鳩時計。
雫を送っていった際に、いろんなものを見て、気になった物を作ってみたようですけど。
言葉が通じないと、パッとわかりにくい部分はありますよね? うん。
無駄に高性能なものをつくってまぁ。
1-97『背中』
「何してるんですか、ヴィヴィアさん」
談話室でエリクとあって、ふと肩たたきをはじめて。
そこにユーラが来て、俺が来て……どんどんつながっていくのには笑った。
2-1『冷ややかな仲裁』
「何だ、弱音か? 負けた時の言い訳か?」
ラルスと雫の暑さ我慢大会……
ってなんでだ!? 準備した面々も止めろよ……
まぁ、巻き込まれるのを嫌って粛々と用意して逃げたろ。
それでエリク呼んできたよかそういう流れと見た。
2-5『綺麗な空』
「やめろ。あれには何も教えるつもりはない」
ファルサスの式典に招かれたオルトヴィーンとヴィエドの話。
親世代に会ったなにがしかの秘密。それを感じながらも追及しなかったヴィエドの在り方がなんか好きです。
2-7『懐かしのゴ』
「ミドミズに似てるね」
現代日本に住まう人なら想像するだろう、あの黒い虫。
エリクとうまく意思疎通で来てない疑惑はありますが、こちらにはいないようでほっとしてましたね。
いやまぁ、まずミドミズが出てくるってことは、居ないんでしょう。
2-11『小さな配偶者』
「遅い……」
俺とエリクの会話。
遊びに来た俺は、雫が妊娠していることに驚いて。
大体の事が事後報告なエリクに俺が振り回されてるみたいですけど、それでも友人でいてくれる彼は良い奴ですねぇ。
2-12『甘い味』
「是非、レーン殿下へお手本を示されて下さい」
ニンジン嫌いなレーン。あの手この手で食べさせようとする雫。
その成果物であるニンジンケーキをオルティアに差し入れて。
和やかに進んでるかと思ったら、オルティアの苦手も克服させようと準備をしていて。
雫、退かないなぁ。
2-16『手に入れることの出来ない欠片』
「ご存知ですか!」
キスクの女官、ウィレット。
ある日彼女は、偶然から女王に出された菓子の存在を知って。
周囲に聞いても誰も知らず、たまたま出会った雫から答えを得てましたが。
またここにチョコレートの魔力に取り付かれた人が一人・・・
2-20『苦い日のこと』→IPの項
2-24『戻れない書類』
「何をしてるんだあいつは……!」
雫が言葉を失っていなかった頃の話。
会話は出来るが読み書きは苦手だったために生じたすれ違い。
えーっと、ニケが相変わらず不憫なエピソードです。
2-26『曖昧な過程』→IPの項
2-27『傷ついた瓶』
「これ、折角おもしろい花瓶なのに勿体無いね。水漏るのかな」
たまたま切花を買ってきた雫が花瓶を探す話。
メアと二人だと、微妙にずれていきますよね……
エリクがちょうど戻ってきてよかったです。微妙にフォローの方向がずれてたけど。
2-31『叶わない野望』
「この城も静かになったな」
雫がファルサスへ戻った後の、オルティアの話。
彼女に多大な影響を与えた少女が居なくなって、城に空白が生じたように感じているのが、いいですね。
彼女が、確かな痕跡を残したという事ですし。
2-37『子供じみた口論』
「お前は一体何を教えている!」
息子に罠の仕掛け方を教える王は、うん一般的ではないでしょう。
今回はオルティアが正しい。何を言っても効果なさそうですが。
それでも次の子が生まれたら、と条件を取り付けることに成功したオルティアは流石。
2-39『混じり合う癖』
「エリク、遊んでませんか?」
エリクが雫の癖を分析する話。
毎週毎週何の観察をしているんだ。
しかも自分が介入してどんな反応するか試してるし。
楽しそうでいいですけどね。
2-42『黄色の攻防』
「黄色くなってるよ」
こちらの世界の柑橘類を食べすぎて手が黄色くなった雫。
エリクの指摘で気付いても、それでも次のを手に取って。好きなんだね…
目玉焼きの話をしてる下りが笑えて好きです。
2-47『紫の泡』
そこから先のことは、正直あまり思い出したくない。
料理下手な俺が、凄まじいものを作り上げる話。
えーっと、最初は出来る人とやるか、本見てやるべきだよ……
適当にやるのよくない。こわい。反省して話を聞きに行ったのは美点かと。
2-51『賑やかな挙式』
「そこをなんとか。ください、陛下」
レウティシアの挙式。
誓いの言葉を受けた後のラルスの反応がまた……
これに退かずに言葉を紡げるアルノが強い。
2-55『染み付いた習慣』
「何してるの?」
カップを割ってしまった俺。
色々方策を考えた中で、時間的な問題もあったとはいえ、誤魔化したりせず、正面から誤ったのはポイント高いと思います。
対策として鎧来た方がいいかなとか思ってましたけど。その後の手合せで殺気を感じたりもしたようですけど。うん、生きててよかったね!
2-58『吹き抜ける風』
「ひさしぶり、リオ」
あの実験で、雫と共にあった少女リオ。
彼女がある種の諦観を持ち、忘れられない記憶を抱きながら。
それでも日々を生きて、雫の与えてくれたことを覚えてくれていることが。
どうしようもなく嬉しい。雫のしたことは決して無駄ではなかったのだとわかるから。
2-63『抱きとめた桶』
「あ、じゃあ屋敷に届けとく」
結婚祝いに漬物樽を特注でつくる雫よ……
行動力に溢れているな。
そしてそれをシスイが家に届けて、色々と暴露されてたのには笑った。
2-67『殺めるべき影』
「蜘蛛……ですか」
家に蜘蛛がでて雫が追ったものの見失って。
それを夜に見かけたメアの話。
雫の影響を受けて人間味出てきたかなぁ、って感じで好き。
2-68『恐れる異邦人』
「王様が王様ゲームをやるとはこれ如何に……」
ラルスの誘導尋問によって、遊びを引き出された雫。
そこで王様ゲームを出してしまったか……いやまぁ、無難なの挙げたところで、他にないのかって追及して来るでしょうけど。
俺とユーラに絡むネタもあって、うん。衝撃的です。レウティシアが封印したのもうなずける。
2-73『封じた語彙』
「王様、では妥協点を作りましょう」
今度は、トマト祭りを話題に出したか。
トマトに類するものが無いから、皮が堅い柑橘類を使うかとか言い始めて。
三十分も拮抗状態続けるあたり雫もタフだな……
2-76『気付かない意味』
「無用心」
言葉を失った雫。それに近づく貴族が居て。
エリクが来てくれて何よりでした。
王様まで来て、不用意な行動をとった貴族は正直ザマァって感じですが。
2-84『灼熱の有効利用』
「何かこの熱気を有効利用したいですね」
ファルサスの熱さにやられている雫。
この熱気を何かに使えないか、と色々考えていますが。
煮えた脳でまともな案はでないな……エリクも無茶しないように。
2-90『澱んだ濠』
「あー……これもうきりがないですよ」
釣りがしたいとラルスが言い始めて。スケジュール的に海や川に行く暇もない。
代案で恒例行事の城の濠掃除の助力とはいかに。雫も巻き込まれてたし。
途中ラルスが変わった遊び方を見つけて楽しそうだったのはいいですけどね。
そうでもないと、またろくでもない案だしたろうし……
2-93『細く途切れそうな糸』
「ですが、王族の、王の本質とはそもそも力と孤独でございましょう。
人間は全ての者がその本質に耐えられる訳ではない」
懐妊したオルティアと、ファルサスの精霊の会話。
過去、精霊を継承したのはどのような者であったのか。
今を生きる王族として。あるいはラルスの隣に立つことが多いものとして。
思う事がいろいろあるようですが、何も言わない、というのが二人らしくて良い。
2-97『行き場のない苛立ち』
「貴方がよくても私が厭なの。我慢ならないわ」
レウティシアとアルノの会話。
王妹を迎えた事でアルノに当たる勢力も居て。
それでも泰然としてる彼だからこそ、彼女の夫として在れるんだと思いますけどねぇ。
2-99『凍れる体』
「悪気はなかったんだああああ!」
エリクと共にメディアルを訪れた雫。
言語学習の研究者として正式に招かれて。
寒さに震えて、身体を動かしたら、という提案に雪合戦をしようと試しに雪玉をなげて……ちょっとした騒動になってましたが。人的被害がなくてよかったね……