Babel百題の感想パート3。
百題5収録の作品の感想です。
百題5収録の作品の感想です。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。
5-1『目覚めの声』
「この世界って目覚まし時計ないんですかね」
普通に朝起きられる人種であるところの雫とエリク。
羨ましいわぁ。気力振り絞て起きるタイプなので。
エリク、異世界人の雫に「意外と疎い」所があるとか言われてますが、否定できない。
その後彼女の提案に則って、後に使われなくなるだろう魔法具作るあたり、付き合いが良いというか。
5-3『放浪者』
「優先順位をつけているだけだよ」
旅をしている最中の雫とエリク。
お互いの判断基準が新鮮に映るようで、まぁ、楽しい旅路になっているのでは。
5-13『お荷物』
「君のその鞄って面白いよね。便利そう」
雫の鞄についての話。
そこから最終的に、次に異世界に来るなら醤油瓶持ち込むとか言い出すのが雫クオリティというか。まぁ実際旅行とかで海外行くと醤油・味噌の味つけが恋しくなりますけどね。
5-15『羊飼いの笛』
「それも何かしら。あなたが持っている角笛も気になるのだけれど」
エリクから角笛を渡されて、羊の様子を窺っている雫。
とりあえず手元に在るしで吹くあたりが彼女らしいというか。
彼女の戯言を聞いて準備しているエリクもエリクだ……
5-22『一人旅』
『後世の魔法士に伝える』
長い休暇をもらったハーヴが、ちょっとした旅をして。
昔に読んだ論文で気になっていた城壁跡を見に行って、ある伝言を聞く。
こういう過去から残された言葉とか好きです。美味しいシチュエーションですよねぇ。
5-25『雨露の匂い』
「可愛いけど、可愛いってことは私を騙そうとしているってことですよね! もう学習した! もう騙されない!
雫の成長というか警戒心がここまで来ると微笑ましく思える。
いやまぁ、大事ですけどね、警戒。
魔物の調査に来たはずが、王直々の采配で雨の中採掘してるって、何してるんだこの王家。
5-41『帰郷』
「それが、うちの妹が話してみたいって前から言ってまして」
黒猫の導きで帰京した雫。
彼女を連れて、雫と澪とで案内する事に。
姦しくも楽しそうで何よりです。
5-46『戦がもたらすもの』
「意味はないよ」
キスクとファルサスの衝突があったあとの砦。
彼女は戦について、エリクに意義を聞いたりしてましたが。
その卑怯さを自覚できるのが雫の長所ですよね。自己分析できる冷静な自分がいるって言うのは結構重要ですよ。
5-49『共鳴』
「―――― 馬鹿げている」
城にいくつかある尖塔。
そこの一か所にある逸話。
といっても過去の王女が争いの発端となったという、ありがたくもない話ですが。
そこから教訓をくみ取ろうとするあたり、ラルスもファルサス王家なんだよなぁ、と改めて思う話。
5-54『その場限りの味方』
「穴をもっと深くしたいんだよね。暇そうだから手伝ってくれないかなと」
ニケを捕まえた穴を掘ろうとする雫。
穴を掘ることに夢中になってる彼女はちょっと怖い。
まぁ、鬱憤ため込み過ぎずに発散するのは大事ですよね。うん。
5-74『飛竜』
「ニケ、辞世の句とかあったら聞くけど」
ある実験のために連れ回されたニケ。
飛竜に加えられて飛ぶ羽目になるとは思わなかったでしょう。
えーっと、お疲れ様でした。
5-77『夢枕』
「私はもともとこんなです」
長雨でちょっと気鬱なオルティナ。
ちょっと運動しましょうと引っ張り出せる雫は強い。
……その前に妖怪の話なんかしたものだから、夢見は悪かったみたいですけどね!
5-79『死してなお』
「だから、そういう状況に持ち込まれないのが一番だと思う」
幽霊が居ない世界だと、怨霊も居なくて復讐譚解かないですよね、という雫。
そういう状況に持ち込まれないのが一番というエリクの言葉が正論ですけど。
雫、結構ロマン好きですよね。
5-80『神の代理人』
「私たちの世界ってきっと、同じ川を流れる小石なんです」
逸脱者である魔女と、雫の会話。
お菓子作りをしている、平和なエピソードではあるんですが。
世界の共通点についての考察とか、最期の一文とかが少し怖くもありますね。
5-82『不適合者』
「この城を落とす時に、何処から攻めればいいか検討してる」
エリクが城の見取り図なんて見てどうしたのかと思いきや、上述の発言が飛び出てくるんだから俺でなくても驚きますよね……
やらない理由に「費用がかかりすぎる」って言ってて、費用の問題解決したらやるのかと思ったらやったね……
「城を攻めるとしたらどこからか」という意見を臣下から集めて、警備体制の見直しを図るという発想らしいですけど。そのまま訓練に繋がってて王様生き生きしてたな……
5-83『予知夢』
「いっしょに、います。ひめと」
言葉を失い、まだ覚えている途中だった雫とオルティアの未来の会話。
お庭で二人の子度を見ているという夢。
穏やかで幸せで、良いなぁ、と思っていたらオチがシスイの植物ネタで吹いた。
5-88『出生の秘密』
「いいけど、質問の意図は? どういう話を聞きたいの?」
娘に出産時の話を聞かれて。
出産当時の話を思い出しながら話してますが痛みの比較として「塔から飛び降りた」「剣刺さった」「呪詛をもらった」等が出ても動じない娘が凄い。
5-95『許されざる行為』
「どうした? 顔色が悪いぞ?」
ファルサスとキスクの国境は、情勢によって変動する層で。
「具体的には王同士の気分によって国境が移動するのだ」とか書かれているあたりが凄い。
街道の脇にニンジン畑作って、ラルスがそれによって開戦しようとか言い始めて。
振り回されている家臣の方々は本当にお疲れ様です。
5-98『残されしもの』
「ティナーシャさん、よかったらもっと色んな料理、教えてくれませんか?」
雫がティナーシャに料理を教わる話。
今はない彼女の故郷の料理を教えてくれて。
ちょっと寂しいような気もするし、継がれていくものもあるんだという感情も沸いてくるし。今が幸いであって良かったと、より強く感じましたね。