『Unnamed Memory』の短編。
百題そのものがネタバレありなので注意。
書籍版を読み、待ちきれずにACT.2を読み、その後のエピソードも読みましょう。
全人類UM読めばいいのに……
えー、話数が多いのと長くなったので分割します。なんと、百題1のみ。このペースだと多分全部バラになるのでは???
1-2『免疫』
「私も看病ってしてみたいなあ」
幼な妻リースヒェンが、オスカーを看病したがる話。
かわいい。風邪はひかないけど、少し寝て過ごそうか、と付き合ってあげるオスカーが優し
い。
……厨房破壊される前に、困るものだけ選り分けに行くあたりも笑えます。
1-5『妥協』
「後悔するのは最初だけです」
魔法を使って軽いとはいえ上に乗られて「何乗ってんの」と返せる当たりラジュも慣れてき
てるな……
ティナーシャの仕草に惹かれてやまないラジュが、もう……結婚すればいいのに。
構ってもらいたいティナーシャも可愛くて好きです。
1-10『青光』
「あなたは、月ね」
ティナーシャの過去の一端。
なぜ彼女は「青き月の魔女」なのか。
もしかしたら、その始まりになったかもしれない女の話。
「だってあなた、悲しそうなんですもの」。
魔女になりたてで二つ名もないティナーシャに相対して、こういえる豪胆さがすごい。
……自分を顧みないが故なので、豪胆とはまたちょっと違うか。不用心?
1-14『浮遊』
「ならないよ! 空中くらい好きに浮かせろ!」
執務室でのオスカーとティナーシャの一幕。
いつも浮いてるティナーシャに、下に下りてることが出来ないのかとツッコミ。
まぁ、そうだよね。いつかは疑問に思うよね。
全く疲れないというあたりさすが魔女。
1-18『逃亡』
「トラヴィス! 子供に何教えてるんですか!」
トラヴィスがフィストリアに構成を(勝手に)教えてる話。
いやぁ、上級魔族怖い。自由だわぁ。
ま、オーレリアがちゃんと叱ってくれてるらしいので。
……毎日のように小言を聞いてもやめないというか、ここまで来ると小言聞くためにやって
るのでは居ないか疑惑が。
1-25『羽音』
「一緒に来ますか?」
ティナーシャとナークの出会いの話。
言葉は通じなくとも、通じるものもあるのだ、という関係の始まり。
こういう関係好きです。
1-26『操作』
「まったく……。いい加減お前も学習しろ」
ルクレツィアのお菓子でまたうっかり痛い目を見てるティナーシャの話。
それを楽しんでる当たりオスカーもルクレツィアも似た者同士というか。
さすがに学習して、五年は菓子を避けられた、ってことは五年過ぎた後に食べたってことで
すよね。
ルクレツィアの隠匿技術が凄いのか、ティナーシャがうっかりしてるのか……
1-27『発信』
ティナーシャが塔を建てるにあたって。
よその書庫に忍び込んで禁帯出の「魔法建築理論詳解」とか読んでる辺りなにしてるんだ。
まぁ、それでリトラ作り上げてるんだから、お見事というか。
……あの目撃情報から、幽霊話拡大してるのではないだろうか……
1-29『本気』
「えーと、離してくれると嬉しいんだけど」
ラジュと、彼に構うティナーシャの話。
飛びついて来たティナーシャの手を気まぐれに避けて。
彼女の茫然とした顔に笑ってしまったラジュが彼女に迫られる話。
1-32『自殺』
「貴女でなければ描けない……! 私は、私の花を見たいのです」
人肌に絵を描く、稀代の職人。
それが魔女と出会ってしまって、彼女の手足にいくつか絵を書いていましたが。
自身の芸術を追求するあまり、踏み込み過ぎたというか。自分の絵に妥協でき無かったゆえか。直後に首をつり……彼女の記憶には描いた絵のみ残った、と。
ある意味で成功したともいえるような。
1-38『人々』
―――― わたし、この時代に生まれて幸運だったなあ。
ファルサス城下に住まう一般人の少女。
王と魔女の結婚式で、城へのあこがれを募らせて……城に入れるとなった時には、王妃が居なくなっていた。大きく落胆したものの、新しい出会いもあって。
うん、こういう何気ない市民のエピソードも良いですよね。あの二人を近くで見られるのは、正直羨ましい。
1-39『精神』
「トラヴィスは……何も分かっていないのね」
18になったオーレリア。大人になった、といいトラヴィスに踏み込んでいく強さが魅力的で。だからこそ、トラヴィスを惹きつけたんだろうなぁ、と納得できる感じで好き。
1-41『曇天』→Babelの項
1-45『掌中』
「……お人が悪いですよ、陛下」
魔女が目覚めて、オスカーが上機嫌で。
ラザル達も機嫌がいいのは察していても、原因は不明でしたが。
オスカーが割と明け透けに語るもので転移で逃げられてましたね。
収まるべきところに収まった、という感じ。
1-50『満月』
「貴方が一緒でなければ、意味がないので」
アルファスとティナーシャの話。
未だ彼女が檻にあり、訪問が続いていたある一日。
寂しげに笑った顔を見て、彼女の名を呼ぶ所が好みの場面ですねー。
1-54『散歩』
「貴族のお坊ちゃんがこんな町に何のようだい」
オスカーの父親、ケヴィンの話。
何だかんだで、この人も繰り返し城抜け出してたのか……
その目的が、ある日であった女性の為だって言うんだから、
1-55『治療』
「何というか……大変なものなんだな、魔法」
逸脱を自覚したオスカーとティナーシャの話。
せめて簡単な魔法を覚えようと、オスカーに仕込み始めますが……
治療の魔法の練習でくすぐったくなる異常がでて。先が長そう。
1-58『希望』
「どうか御武運を。国はしかと治めてまいります」
子供たちに国をまかせ、歴史の裏へ歩み始める二人の、別離の話。
ウィル達が後を委ねられ、頑張ろう、と言ってくれたことに救われます。
1-60『膨張』
「そうか……最近のスープは紫色なのか……」
リースヒェンの料理(失敗)の話。
紫のスープはちょっと挑戦的すぎる。
食用品を混ぜてよくぞ、って感じ。塩入れたら膨張するとか怖い。
1-61『課題』
「で、何であんなんなってるんですか?」
裏庭に大量発生した巨大草。
うーん、IPあたりで見た覚えのあるような。どの時代もやってんのかいファルサス。
オスカーにばれると怒られるから……全てを計算の内ってことにしようというティナーシャからの課題が凄い。えー、魔法士組はお疲れ様です。
1-64『世界』
「お前が生まれながらに持ってるものだよ。あいつもそうだ。……お前らは、死ねばああなるんだ」
トラヴィスがかつて見た、「属性を持たない女」の話。
全てを語ってくれるわけではないですけど、断片だけオスカーに伝えて。
オスカー達に継がれた続きを、自分の終わりを定めた彼は知ろうと思わない。
あぁ、常識が違う。さすが上位魔族と畏怖を感じた。
1-66『少年』
「だって、この年齢の『貴方』って珍しいんですよ」
ラジュが記憶を取り戻したのちの話。
若い姿を面白がるティナーシャがご機嫌で幸せ。
1-67『学校』→Voidの項
1-69『十分』
「お前ほど綺麗な女はいない。今も変わらない」
オーレリアとトラヴィスの別離の話。
二人にとっては十分で、痕跡を残さずトラヴィスは消えた、と。
彼女に救われた自分であり続けるというのが重い。
1-70『逆転』
「線は乗り越えなければ問題ないのです」
逸脱した二人の話。
オスカーがティナーシャに釘を刺す話ですが。
うーん、やりそう。今回はオスカーに分があるかな?
1-71『更新』→Voidの項
1-74『浜辺』
「ええ。わたくし、海を見たことがなくて」
クリスティネとシエラの会話。
二人が楽しそうに会話していて、和む。
1-75『曖昧』
「というわけで賭けよう。あの二人がどうにかなるかどうか」
賭け好きだなファルサスの臣下。
アレス将軍とメレディナがどうにかなるか、という議題。
まさかのオスカーの乱入まであって笑うわ。
1-76『認可』
「私はね、今でもあまり賛成はしていないの」
ウィルとフィストリアの、子供たちの話。
王家の血と力の話でもあって。ウィルの信頼が、重くて、後の廃王を知ってると苦しくもなる。でも、両親を信じてくれる彼は格好良かったです。
1-77『範囲』
「じゃあ行くか。これで四つ目だ」
戦いを続けるオスカーとティナーシャ。
外部者の呪具にマシなものは少ないですけど、記憶を読み取り具現化するというそれは、過去の災厄を再現して。
戦いを制したものの、魔女は片翼を失ったのだ。辛い。
1-79『犠牲』
「私あの時、どんな顔をしていましたか?」
魔法士が当主を務める家系に生まれたヴァロ。
オマケに精霊術師が当主であることが好ましいとかで、精霊術師相手の縁談が次々持ち込まれてきて。有る日であった、ユリアという女性に、惹かれていく。
幸せで、けれど結末を知っていると少し悲しくて。
……UM書籍化に伴って作者さんが公開された短編『小夜曲のおまけ』をどうか見て欲しい。
1-84『泣声』
「その結果がこれか? ロザリア」
UMのAct2と指定が入ってる短編。
ある魔女の子供と、その罪。それを知る彼女が、清算の為に現れたあの場面で何を思っていたのか。「不愉快そうな声を作り」というのが刺さる。
1-90『屈曲』
「あら? なら公爵は残しておきなさい。足掻く様が見たいわ」
好き放題に動きまわっているレオノーラの様子。
能力がありながら激情に駆られるとか厄介極まりないな……
1-93『彫刻』
「凄いな。魔法ってのは面白いことが出来るものだ」
風呂場で水を使ったティナーシャの創作を見るオスカー。
精霊術師の特権らしいですが。見ごたえあるだろうなぁ。
見ず出てきた豹やらドラゴンやら。水剣をもったティナーシャの演舞とか、目を奪われること間違いないだろうし。
……まぁ、これを見れるのはオスカーの特権かなぁ。