百題4、Unnamed Memory分の感想。
特に逸脱者ネタが多いというか『Aeterna』寄りのエピソードが多かった印象。

no-seen flower 100題感想

作品別。表記は

【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】

例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。


4-1『純白』

「ならわたし、あなたに誓う」

リースヒェンとオスカーの結婚

神には誓わず、お互いに誓う約束が愛おしい。

 

4-6『隠蔽』

「それでこれ、どうするの?」

オスカーとティナーシャの子供三人。

行動力は父親似かな……揃って抜け出して赴いた禁足地の遺跡を破壊してしまって。

資料から行動を予測して駆けつけるオスカーも凄い。早い。

 

4-10『獣』→Babelの項

4-11『邪心』→Babelの項

 

4-14『剣と盾』

「さて、どう出ますかね」

両連合軍がぶつかる戦。その片方に与しているティナーシャの様子。

射撃のセンスが無く、護衛官の鼻先を掠ったとか。手持ち無沙汰で銃を抜こうとした彼女を良く止めた。

 

4-16『微笑み』

「人の男で遊ぶな。怒るぞ。既に私が結構怒られた」

鳥籠の騒動が終わった後。

ティナーシャと皇帝の会話、家の前に捨てられていた赤子を添えて。

アルファスが親と引き取り手を探しているそうですけどね。事情を教えずとりあえず言い訳を聞いたティナーシャよ……その後怒られたようですが。

 

4-18『悪い子』→Babelの項

 

4-22『花弁』

「あなたは、壊れたものを綺麗にする。それから人に繋がれて、いずれはみ出るわ」

ティナーシャとカサンドラの初対面。

青き月の魔女に下された、絶対に当たる予知。

あぁ、遠い時間の果て辿り着いてしまったんだよなぁ、と先を知ってるから響く者がある。『Aeterna』読もう……?

 

4-23『枕』

「そんな訳あるか。休憩時間になったから様子を見に来ただけだ」

二人目の子を宿している時のティナーシャ。

元から起きないけれど、孕んでいると眠くなる体質だとか。

王妃で良かった……市民だったら家事育児できずに大変だったろうに。

日常生活からしてそうか。冗談はともかくしれっとオスカーといちゃついてるのでオススメ。

 

4-25『くちづけ』

「うーん、言葉の意味はそれぞれ違いますけど、私たちはそのどれでもあるんですよ」

廃墟で一人生きていた少年。

そのもとに駆け付けた魔女の話。

多くを教え、まだはっきりと関係を自覚できない彼とそれを見守る魔女の関係が好き。

 

4-27『約束』

「その時まだ貴女が覚えていたのなら」

ティナーシャとルクレツィアの話。

この世界に現れる「異能」について魔女たちが考察したり、カサンドラの未来視について語らったり。

表面上は穏やかですけど……このティナーシャ、「終わり」間際の彼女だからなぁ。

約束を交わし別れ……それが、果たされなかったというお話です。

 

4-30『隠れ家』

「貴方は永遠に私の王ですよ」

塔を解体して、森の屋敷を組み立てる話。

部屋はいくつ作るかとかそんな相談をしている二人。

対でいると穏やかでいいですねぇ。

 

4-31『欠片』

「光栄です、魔女様」

ティナーシャがレギウスの契約者としてファルサスに在ったころの話。

ララはかなり強かな女性ですよねぇ。貴女が男だったらまだ考えた、というのはかなり高評価なのでは。

70年後にオスカーに振り回されるとは思ってなかったでしょうけど。

 

4-36『世界』

「勝者を決闘で決めるとは、随分古風なことになったな」

七十年続いた戦争を終わらせる決闘。

お互いを分かり合っているオスカーとティナーシャのやりとりが素敵です。

しれっと書いてるけど、三国まとめて同盟作るとかお互い凄いことしてるな……

 

4-38『ゆらゆら』

「凄いのね。本当に三時間で消えるの?」

フィストリアに「一定時間直射日光に当てないと消えない呪縛」なるものを仕掛けられたルイス。

自宅に仕事を持ち帰って、日に当たりながら消化してましたが。

一週間帰宅できてなかったというしフィストリアなりのやさしさなのかなぁ。手段には笑ってしまいますが。無駄に高性能な呪縛考えてまぁ。

 

4-40『慰め』

「貴女の父親が何処にいる誰でも、きっと貴女の幸せを願ってますよ」

まだ、別れて暮らしていた頃のティナーシャとフィストリア。

幼い娘は「ちちおや」は誰? と聞いて。

最後の会話4行が幸せで満ちてるので好きです。

 

4-43『名残』

「昔の話だ。私だけが忘れなければいい。お前もそうだろう?」

ラヴィニアがいかにして魔女になったのか。

その過去のエピソード。ずっと忘れない在り方は、自身に課した枷……というか、せめてものプライド何だと思います。

 

4-44『千年』

「そもそも惚れた相手に飽きるというのが意味分からん。どうしてそうなるんだ?」

永い時を過ごす逸脱者二人。

お互いに飽きたのか、と聞かれて飽きるはずがないと返す。

オスカーは強靭な精神ゆえに。ティナーシャは抱いた熱がゆえに。

相手を求め、共にある。やっぱりいいなぁ、この二人。

 

4-48『宝物』

「様子を見に来た。具合が悪そうだったからな」

ACT.2のエピソードですね。

執務室でつかれて寝ているティナーシャと、仕事をしているレジス。

彼女の様子を見にオスカーもやってきて。

二人を見守るレジスが、自分を幸運だと思えるのが、救いかなぁ。

 

4-52『連続』

「構いません。貴方の素顔を見れて得をした気分ですし」

ファルサスに仕えた事がある、というヴァルトのエピソード。

魔法士長に就任する直前ですね。彼は彼なりに試行錯誤を続けていて。

その一環ではあっても、息苦しさを感じてるあたりが、彼らしいというか。

ティナーシャが彼を認めてる場面とか、「ファルサスに仕えた」試行は他と雰囲気変わってて違う味わいが楽しめるので良いですねー。

 

4-54『乱』

「結界に穴でもあったか」

部屋に潜り込んでいた猫。

ティナーシャで変になれているオスカーは、子猫を掴み食堂へ行って。

スープ皿に飛び込まれるハプニングと、その後の流れには笑う。

 

4-58『突然』

「どうしたの、それ」

結婚したアルスとメレディナ。

ある日夫が花を抱えて戻ってきて。曰く贈り物をほとんどしてないと漏らしたら怒られた、と。式をしないって言った時も怒られてたよな……

でもまぁ、メレディナは長い付き合いで彼の事を分かっていて。ないならないで気にせずにいて。裏事情知ったときには笑ってましたけどね。楽しそうで何より。

 

4-64『ふたり』

「たまには吐き出すといい」

瘴気騒動で王妃が消え、シルヴィアは彼女を庇うべきだったのにできず悔いていて。

それをレナートが吐き出させて……という交流が良いですねぇ。

 

4-65『拷問』

「悪いな、我慢をさせて」

魔女と、ある将軍の話。

最上位魔族の二位が戯れに逸脱者に迫り殺されて、上位の席が空いてかなりの騒動になったようです。なにしてるんだ……後処理に駆られているようで、ご苦労様です。

 

4-68『初恋』

「私が、作るわ」

リウクレアがある時、自分たちの料理はどう用意しているのか聞いて。

毎日転移して買ってきてるとはちょっと予想外。リウクレアが自分で作ると言って、実際作ってみる話。

 

4-73『地下』

「遺跡ってのはなんで地下にあるんだろうな」

王子が地下遺跡になんて踏み込むなよ……

いつも通りラザルが連れ回されていますが。

オスカーは楽しそうですね、本当。

 

4-77『捜し求める』→Voidの項

 

4-81『哀歌』

「お願い、助けて……あたしには、あいつしかいないんだ」

ガテリア・ティティの歌姫アーティ。

彼女の下に助けを求める娼婦が来て。

窓を破り外へ出て――失望と絶望しか残らなかった。

 

4-84『果て』

「貴方ならどうするんです? 過去を変えられるなら」

ファルサスに仕えたヴァルトとティナーシャの会話。

「もし過去を変えられるなら」という会話をして、ティナーシャは「王を優先する」と答えた。

 

4-86『淫』

「そう、と言われても。前からいつも通りですよ」

魔法薬を作っているティナ―シャを見つめるラジュ。

猫薬とか、ルクレツィアの薬まで交ざってる辺り怖いなあの部屋。

 

4-87『呪い』

「あんたさ、呪いとか向いてるんじゃないの?」

ラヴィニアが呪いに長けてるのは、ルクレツィアの発言のせいか……

いやまぁ、魔女なんだから、永い時間の中でいずれ見つけた気もしますけどね。

 

4-88『目隠し』

「少し休んだ方がいいですよ」

ヘルジェールを得る為に手を打っているオスカー。

大抵の事は出来る彼ですが、疲労しないわけではなくて。

薬師として、彼の無茶をとめるヘルジェールが律儀。

 

4-90『報せ』

「絶対にオスカーに知られないようにしてください。分かりました?」

珍しくおオスカーが風邪で寝込んで。そこにラザルが面倒事の報告に来て。

「揉み消せ」という短い言葉にとんでもない迫力を感じましたよ。怖い。

病床のくせにその騒動のもとへ行くんだからオスカーも凄いというか。今回は弱っているから、騒動を起こしていた奴に呼ばれて抵抗できなかった感じですけどね……

ティナーシャとラザルはお疲れ様です。

 

4-91『逢瀬』

「困ったことはありませんよ」

デトスとラヴィニアの話。

森の家に拠点を移し、彼女の側に居る事を選んだデトス。

その後は終始穏やかであったと保証されていて、ほっとします。

魔女の連れがいつも艱難辛苦に巻き込まれるわけじゃないんだ……

 

4-94『神様』

「貴女の森なんで、貴女に任せますよ」

神様をたよって、魔女の森に来て父の助けを願う少女。

記憶を操作して送り返す、とルクレツィアは言って。

その場面を見ていたティナーシャは、一月後、ふと様子を見に行って。

ある魔法具を見て、肩をすくめると。神の気まぐれ、いいじゃないですか。

 

4-97『恋文』

「…………何でこれが」

逸脱した二人の話。本に見せかけた箱を見つけたオスカーが中身を確かめて、後悔する事に。悠久の中で手紙を送る事もあって、それを全て取ってあるティナーシャは流石というか。捨てる事は出来なかったでしょうねぇ。

自分で描いた内容を思い出そうとして、それを拒むオスカーの態度が珍しくて好き。

 

4-99『分かれ道』

「あんたは馬鹿よ」

終わりに向かうティナーシャが、ルクレツィアの下を訪れて。

彼に会いに行け、と言う森の魔女の提案をバッサリ切り捨てて。

かなり危険なところまで来てしまったなぁ、と寂しさを覚える話。