Unnamed Memoryの百題5掲載作品の感想。
EoM関係のネタは切ない……
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。

5-5『酒場の噂』
「ごちそうさまでした。お代は」
「もうもらった。二十年も前に」
酒場で魔女の話で盛り上がる酔客。
ほとんどの人が魔女の容貌をしらないからって好き放題吹いてましたが。
機嫌悪かったら死んでたぞ、お前……
誠実な店主が好きです。引用した会話、こういうシチュエーション、良いですよねぇ。

5-6『形見』
「母の形見なんですよ」
ルイスに残されたトゥルダールの魔法具と、母の記憶。
それを聞くシエラ。家族を思う温かさが、安堵が幸せを感じさせてくれる。

5-11『当てのない道』
「そんなことばっかりしてると、いつか死ぬわよ」
死ぬわけがないと同時に死んでもいいと思った。
危うさをもったレオノーラの話。

5-14『森の魔女』
「あなたが魔女か!」
閉ざされた森の魔女かとおもったか馬鹿め! 青い月の魔女だ!
ルクレツィアの留守を預かっていたオスカーとティナーシャがルクレツィアの家を訪れた男の願いをかなえる話。
えーっと、暇だったのかな?

5-18『薔薇の咲く庭』
「なんというか……ファルサス直系は、大体駄目なんですよね」
レギウスについて問われた、ティナーシャの回答がひどい。
シルヴィアは固まってしまってましたが、うまいこと別方向に話を転がすパミラが強い。
ティナーシャのオスカー評や、「私みたいのを拾ってしまう」という言葉を引き出したのはグッジョブ!

5-24『脱獄囚』
「気にせず堂々としてろ。―――― 俺が選んだ女だ」
看守を殺した脱獄囚の話を聞いて、それを処理したティナーシャの話。
彼女の対処がありがたく、オスカーの王としての判断にも救われます。

5-26『醒めない夢』
「平和な夢でしたけど―――― 今の現実の方が、夢みたいです」
眠り続けるティナーシャとそれを見守るオスカー。
ルクレツィアが尋ねて来て、夢の中に入れてあげると言われて……けどオスカーは断ったんですよね。怒られるからと言いますが妻を尊重する姿勢が良い。
まぁ、『記憶にない夢』では自分から危険呼び込んでましたけど。うん、そんな日もあるよね……

5-27『金目のもの』
「自分でなんとかするさ。そういうものだろ」
村長の娘の結婚式を行っている村に足を運んだルクレツィア。
タイミングはたまたまでしたけどね。振る舞い酒もあるってことで案内してもらって。
魔女のくれる「面白いもの」に手を出さなかった男が、格好良かったですよ。

5-30『指輪』
「いえ。ありがとうございます」
ラザルが結婚する事になって。
オスカーの子供たちが大きくなってきたのもあって、親に紹介を頼んだ、と。
変化していくんですよね、こうやって。オスカーの珍道中に巻き込まれし若い頃を含めて、幸運であるといえるのが、何より。

5-33『お忍び』
「何処か遊びに行くか、ティナーシャ」
オスカーに連れられて城都を歩くティナ―シャ。
相変わらずオスカーはティナーシャに服を買うのが好きだな……

5-37『古めかしい絵本』
「何考えてるんだお前」
王と魔女の話。それは絵本にまでなって広く知られていて。
ティナーシャが見つけるたびに買い集めてるという思惑に吹いた。
気が長すぎる計画だし、正直無茶だろ……

5-38『焼け野が原』
「ええ。処分して頂戴」
レオノーラ、登場するたびに国滅ぼしてる感ありますね……
怖い怖い。触らぬ神に祟りなしとは言いますが、この魔女、自分から滅ぼしに来るんだもんなぁ。

5-48『大神官』
「え、あの材料、全部補填されたの? マジで?」
同人誌で刊行された『灰の見る夢』世界の話。
シルヴィアがティナーシャとオスカーの関係に興味津々で、ドアンは力量を見抜いて距離をとろうとしていて。魔女という事を秘し続けてるから、魔法士たちからの見え方も少し違ってて楽しいですね。
消された試行の1つではありますが、灰夢世界も好きです。

5-56『記憶喪失』
「簡単なことです。貴方に一目惚れしました。だから私と一緒に、どこか遠くに行きませんか?」
小国六国からなる争いに関わる男の前に、不思議な女が現れて。
彼女の誘いへの答えが、「少し待っていてくれ。可能な限り平定していく。愛している」というあたり、彼らしい。

5-58『神秘なる塔』
「俺の魔力使って、俺の指示で直してみないか?」
まだ塔が健在であったころ。城からの転移陣もなく、体調不良のティナーシャを心配して塔を登り切るあたりがオスカーだよなぁ。
そしてリトラに塔の仕掛けの事情について聞いて。魔女が魔力を与えて微調整してるそうで。それを、オスカーの魔力と指示でやらないか、と。
最終的に、歴史に残る最難関の試練をくみ上げて、なにやってるんだこの王子……って感じなんですが。笑えて好きなんですよ。何度も読みに来てます。

5-66『琥珀の城』
「あなたもいつまでも残してあげる」
レオノーラが亡国が残し、ある貴族の持ち物となった城に滞在して。
そこに来た吟遊詩人と会話しているシーン。早く逃げろ、と正直思いながら読みましたが。
案の定の結末に。合掌。

5-67『樹氷』
「なんだ、ティナーシャか」
魔女を見たという噂を聞いて。
それはおそらくカサンドラだ、とティナーシャから聞いたオスカーは、その城を訪れることに。オスカーとカサンドラの初対面のエピソード。

5-71『誰もいない場所』
「オーレリア」
オーレリアが亡くなって、位階に帰り、四角い部屋を作りって一人。
魔族らしからぬ感傷的な行いを続ける、トラヴィスの話。
でも、これ分類的に「UM、トラヴィスとオーレリア」なのがエモい。

5-72『服従』
「どうでしょう……、呪いの人形などと言われているのですが」
持ち主が謎の死を遂げる、呪いの人形。
それが城に持ち込まれて、ティナーシャの元へ。
誤った構成を紡ぐ人形とかまた面倒なもの組んだ輩がいるな……
通りすがったオスカーの想いきりの良さが好きです。

5-80『神の代理人』→Babelの項

5-85『封じられた魔法』
「貴方に付き合うとろくなことがありませんよ……」
オスカーが休日に珍しい所に行きたいと言って、ティナーシャの上げた候補の中からある洞窟へ。
水晶がとられていた場所を訪れて、予期せぬ災害に巻き込まれることに。この場合どちらが悪いのかなぁ。まぁ、ティナーシャだけだったら、マジに爆破して脱出がありえたので、オスカー居て良かったね……

5-86『最も天に近い場所』
「私の王。どうかお好きなように。―――― 永遠に私は貴方のものですから」
外からやって来たディアドラと、同胞との会話。彼女が残したもの。
それを受け継いだオスカーとティナーシャが辿って来た断片の話。
ラジュがリースヒェンが、多くの記憶を紡いで、彼らがゆく悠久の旅路が描かれてます。
鍋が壊れる予定がある、という会話が好きです。

5-90『革命』
「悪いが、この剣は渡せない」
UMのサイドエピソード月蝕の短編。
狂乱の精霊を傍らに置いた、王剣の担い手の話。
前日譚は『砕けた月を瓶に詰めて』という題で同人誌になってますね。『月蝕』本編は気長に待ってます。

5-91『失われた財宝』
「ありがとう。助かる」
ヘルジェールが、世話になっているから、と守護の短剣をオスカーに渡して。
渋い顔をしたり、抱き寄せられて抗議したり、まだ微妙に距離があるのがまた良い感じ。

5-92『禁断』
「大丈夫だ。ずっとお前の傍にいるから」
オスカーにミミの母親について問う女。
仕事相手である彼女は、オスカーが変わらない様子を突っ込んでますが。
面倒だと思いながらあしらい続けたオスカーはお疲れ様です。

5-94『掟破り』
「行こう、ナーク」
水の檻に閉ざされた大陸に踏み込んだティナーシャとナーク。
鳥籠が生まれる、数か月前の話。ティナーシャがこぼしたように焼き尽くしてたらそれはそれで痛快だったのでは。

5-98『残されし者』→Babelの項
5-99『すべてを捧げよう』→EoMの項