「no-seen flower」百題の感想。
End of Memoryと分類「???」をまとめてありますので注意―。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。

▼EoM
1-100『理性』
「懐かしいな」
EoMは本当にもうオスカーのメンタルの強さに救われるし、同じくらい寂しさも感じる。
失われてもなお求めたもの。歪なつながり。けれど、二人でいる。
好きなんですけど、読んでる最中叫びたくなるほど胸が苦しい。オスカーは、役目を果たすために進み続けるんだろうなぁ、と感じる一幕。
夢の、あるいは精神の中で、ティナーシャと語らう時間が切ない。

1-101『闇の先』
「どちらでもいいか。どうせ全て排するんだからな」
戦い続けている、オスカーの話。
着実に敵の力をそぎ落としていくオスカーの姿が、格好良いいです。

2-45『真っ白な庭』
「どんな欠片だろうと大切で仕方ない。だが次は気をつけよう」
オスカーがどこまでもオスカーだなぁ、というか。
ティナーシャの為に自己を切り捨てられるくらいには。
その行いに対たる彼女は怒ってましたがね……

5-65『不治の病』
ルーディルスタイアの住人たちのエピソード。
無性で生まれたサフィと、友人のリルヤ。
「玩具に適している」とか、非道な話も出て来て怖い部分もありますが。
二人の無邪気な交流が眩しいなぁ。

5-86『最も天に近い場所』→UMの項

5-99『すべてを捧げよう』
「俺も実際に見るのは初めてだな。―――― お前に似合うと思った」
敵の情報を得る為に一手ずつ状況を進めていく。
端末を見付け、情報を調べ、また次へ。その合間、精神魔法でつかの間の逢瀬をする、と。
EoMのエピソードはどれも読んでると叫びだしそうになりますね。良いエピソードで、面白い。けど、楽しいというには喪失が大きくて、泣けそうになる。
短編でこれだと、未だ描かれぬ本編読んだ時滝のように涙を流す羽目になりそうだな……

▼???
1-7『粋人』
「特異性の象徴……ですね」
ある滅んだ国について語る二人の話。
平和な時も、病んだ時もあった国の、終わりについて。
壊れないものは無いのだなぁ、と寂寞にかられますね……

1-49『鏡像』???
「―――― 許せ、テネステーゼ」
有る時代の、ファルサスの王族の話。
既に失われたある王夫妻の肖像を持ち、兄に別れを告げにいった彼女。
Babelよりのエピソードですし、UMのサイドエピソードでもあるんですが。

1-85『義務』
「それで、私はここに残ればいいのね」
閉ざされた森の魔女ルクレツィア。
魔女として生きる彼女には、もう一つの顔があって。
それに従って行動を起こす直前のエピソード。RSの時期の話かな。

2-48『銀色の花』
「さあ、塗ってごらんなさい。あなたがはじめて生む花だわ」
神の末娘クリュア。
まだ幼く無邪気な彼女と、寛容な姉。
二人が世界に生み出した、ある花の話。

2-70『終末の唄』
「私は私でこの城を離れる。ファルサスの王ではなく、一人の人間として」
最後に残った精霊、ミラ。
彼女が見たファルサスという国の終わり。
まず、王がミラに託してくれて良かったと思うんですよ。
終焉がディスラルのような狂気によってもたらされるのではなく、精霊に自由を与える王で会ってくれたことに嬉しさを感じて。
とはいえ、同時に思う事ももちろんあって。壊れないものはない、と言いますが。ファルサスの滅びを見るのは、悲しかったなぁ……

3-1『序章』
「あるわよ。何だってあるわ。
 ―――― この世界は広くて、歴史は長くて、あなたたちはまだほんの子供なのだから」
母の語る物語を楽しみにする兄妹の話。
さて、この人物たちは誰? 答えは『終章』で。

3-29『後継者』
「ならばその剣は貴方のものです。選んだ道をお行きなさい」
王剣を持っていったミラが、新たな持ち主を選び。
そこに、終わりが近い、とティナーシャが剣を取りに来て。
問答の後、魔女が引き下がってましたけれど。
二度と会わない別れが寂しい。

3-86『献花』
「あなた、もうすぐ死ぬわ」
カサンドラの話。
外れない予知を下す彼女は、占いの店を開き生計を立てていて。
死の予言を、客の一人に下す。彼は信じずに危地に飛び込んでいきましたが……
魔女の気まぐれに救われて。ある意味で魔女らしい魔女というか。気分屋な彼女が好きです。

3-100『終章』
「だって、まだ何も始まっていないんだもの。あなたが好きに始めればいいの」
クリュアとルーディア。
神域に住まう彼女達のお話。
最後の四行が、想像を膨らませる結びで好み。

5-1『運命』
「俺と一緒に来るか?」
サリスセスとディアドラ。
ファルサスの創始者たる二人の出会いを描いたエピソード。
ここで出会い、末裔から逸脱者が出たのも含めて運命なのでしょう。

5-87『只一人』
「火を放てばいいわ。好きなものを好きなだけ焼けばいい」
ディスラルとクレステア。
ファルサスに生まれた異端児というのもまた違うか。
長く続いたために生じた淀みの体現者であったのでしょう。
自ら終わりを選び取る決断は、