「たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのがおれ達の選んだ生き方です。それを――奪わないでもらえませんか」
行けるところまで行って死ね。
非道の命令に従い、旅を続けるシン達はついに隣国へとたどり着いて。
シンの異能があるとはいえ、かーなーり危ない所でしたけどね。
そうしてギアーデ連邦に保護されて、自由を与えられて……それでも彼らは戦場に戻ることを選んだ。
暫定大統領のエルンストが、いいキャラ。
この戦乱の時代にあって良い保護者であろうとしてくれる彼の善性が、染み入るようです。
暫定とはいえ代表を務めている以上、一筋縄ではいかない面も持ち合わせてそうですけどね。
「得体が知れない。万が一。そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないなら、人類なんて滅んでしまえばいいんだよ」。シン達ですら気圧された、あの場面には震えましたね。
日常パートでそれぞれが、自分なりに時間を潰している様子は、眩しかったです。
叶うならば、そのまま日常に戻っていってほしかった。けれど、そう簡単に戻れる彼らでもなし、というのが切ない。
連邦は共和国よりもまともなトップや軍人が居て、環境がマシなのは何よりですけどね。
それでも保護の道を選べたのに、戦場に戻って来た彼らに対する風当たりは強くて。その戦いぶりの異質さが際立つというのもあるんでしょうけど。
シンの戦いの苛烈さが。メンテナンスもろくもしないで動いてる機械のようで、その内壊れてしまいそうで怖かった。