「館長は優しいんだ。ぼくも、図書館がこんな風になっちゃって、怖い。でも、ぼくそれでもやっぱり、優しい館長が好きだよ。優しいから、こんな風になっちゃうけど、優しいから、守ってくれるんだよ」
魔王を倒した後の彼らのお話。
名実共に勇者となった少年は、魔術師の声を取り戻すために旅を続けることに。
その前に図書館によって色々と調べものをしていましたが。
最果て図書館に訪れる人が増えて、ウォレスが楽しそうで何より。
ま、色々と取り戻して、無くしてしまったものがあっても、自分で館長であると立ち位置を決めたのも大きいでしょう。
図書館の魔力の扱いですとか、まだまだな部分もあって図書館の魔物たちからは「結界が弛んでる」とか指摘されたりしてましたけど。
ウォレスがちょっと舐められてる分、リィリの方はスパルタだから、バランスとれてるんじゃないでしょうかね。
最果て図書館と同じように『空間』を核とした、地底湖の博物館なんてものがあるそうで。
そこの館長に追われて、逃げ出して来たという女性が図書館を来訪。
……剣で磔にされているという、奇妙な状態でしたが。拘束するためのアイテムらしく、痛みはないとか。まぁ、普通剣五本も刺さってたら死ぬわな……
図書館の客として彼女を認め、助ける為に色々と調べたり、博物館に足を運んだりもしてましたけど。
博物館の館長である少女は、「全てが欲しい」と、図書館を取り込もうとして。
ウォレスの対応は、甘くて遅かった。図書館がピンチにもなった。けれど…誠実であり正しかった。
「泣けばよかったんだ! (中略)泣けなくなるまで、声が出なくなるまで! 泣けば!」
必要だったのは、それだけだった。泣けずに、意地になって進み続けて、迷子になってしまった彼女が、立ち止まれて良かった。
ウォレスは、図書館乗っ取りに来られたりとかで、呑み込み切れない感情を抱いたようですが。ま、それもまた人生だよ。