「漂白された魂と精神で私のすべてを吸収し、いつの日か幸福によってすべてが壊れ、それでもなお生き残ることができたのなら――お前は、その時、私を超えろ」
GA文庫大賞、7年ぶりの「大賞」受賞作!
実を言うとダンまち読めてないんですけどね。書店員時代に売れてるのは見てたので、アレ以来の受賞というのが気になって購入。
いや、面白かったです。さすが大賞。
日本からの『迷い人』がやってくる世界。
過去には彼らと協力して反映した文明もあったが…暴走によって壊滅。
今なお影響を残す暴走の爪痕によって、開拓できない領域すら存在して。
それ故に、『迷い人』は殺すべし、と『処刑人』が生まれた。
招かれてしまった少年少女がいかに善性の存在であろうと、この世界に来た時に異質な力を得た彼ら彼女らは、いずれ爆発する爆弾でしかない。
そうして『処刑人』として職務に励むメノウ。
彼女の標的となった迷い人の少女アカリは、『殺しても生き返る』という厄介な理を獲得していて。
不死身のアカリを殺すために、「確実に殺せる手」が見つかるまで、側について監視することにしたメノウ。
一方のアカリは、そんな思惑は知らずメノウに懐いていて。
メノウに心酔している少女モモや、アカリを召喚した罪によって父王が裁きに懸けられることになった王女アーシュナなども個性が強く魅力的。
ネームドキャラがほぼ女子で、アカリのメノウへの懐きっぷりには百合の波動をかんじなくもないですが…
アカリ、かなり朗らかな少女であるのは間違いないですけど、同時にかなり怖い子ですよね……
あの「イジワル」はかなりピンポイントで急所を突いてて、恐ろしかった。
彼女達の旅の結末がどうなるのか、見届けたいですね。