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「だったらさ、川崎も自分のルールを作ってみたらいいんだよ。別になんでもいいから。自分で決めたことを、最後まで貫く。そうすれば、最初は生きづらさを感じるかもしれないけど、理想の自分に近づけるんじゃないかな」

 

相変わらずガガガは尖ったもの出してきますね。

一級品の青春小説で面白いんですけど、ラノベらしからぬ雰囲気もある。

これが選考に出て来てW受賞するあたり面白いレーベルですねー。

出版業界厳しいですけど、続く限りは方針貫いていってほしいところです。

 

ウラシマトンネル。

そこに入ると欲しいものがなんでも手に入るが、その代わりに年を取ってしまうという歳伝説。

噂でしかありえないようなソレを、高校生の塔野カオルは見つけてしまった。

 

このトンネルを使えば、五年前に死んだ妹を取り戻せるかも。

その思いが沸き上がってきたら、止まることは出来なかった。

検証作業中に転校生の花城あんずに見つかり、2人でトンネルを使おうと色々と調べていって。

何かを得る為に何を犠牲に出来るか。取捨選択する話というと身も蓋もないですけど。

過去に縛られていた彼らは、何らの形で「禊ぎ」が必要だったんでしょう。

前に進むために、踏み出すまでの決断が、丁寧に描かれた良作。