暑い日が続き、もう8月も後半。すぐに9月に突入してしまいそうです。
9月と言えば――そう、『Unnamed Memory』3巻の発売月ですね。



既に書影が出回っていますが、見てくださいこの美しさ。
訓練されたUM読者は、公式から初めて表紙絵を出された時バタバタ死んだものです。
他人事みたいに言ってますが、こんな記事書いてる私も当然死んだ。

もし古宮九時先生も、『Unnamed Memory』も知らないで迷い込んだ人は、まずこのチャートでオススメ作品を探してほしい。
ちなみに当ブログの感想記事はコチラ(1巻感想2巻感想

チャートを見て来た、あるいはチャートは良いから続きを読みたいという方は下記。
さて、チャートではきっと『Unnamed Memory』をオススメされたことでしょう。
私がなぜここまでこの作品を推しているのか。
面白いから、好きだから。その辺りは前提として、今も楽しんでいるから、でしょうか。

魔女に呪いを受けた王子が、別の魔女に解呪を依頼して。
解析の為に側にいる事になった2人のやりとりは、軽快で楽しいです。
冗談を言ったりもしますが、それぞれ力を持つ者としての矜持もあり、そこの見せ方も思わずうなってしまうような引力がある。

元々この作品は古宮先生の個人サイト『no-seen flower』に掲載された作品で、10年ほど前のものです。
今では「小説家になろう」や「カクヨム」にも投稿されています(当初使われていた藤村由紀名義なので注意)。
10年を経てなお、色褪せない魅力が、この作品にはあります。

今年1月に創刊された「電撃の新文芸」から刊行され、加筆修正されています。
さらに、それに合わせて「小説家になろう」などに新エピソードが書き下ろしされたり、サイトでオマケを見られるようにしてくださったりと、サポートも手厚い。
今なお更新され続けている、というのは推しやすいポイントの1つです。

読む際にオススメな順番は、
1、書籍版『Unnamed Memory』
2、「小説家になろう」、「カクヨム」版で書籍化範囲外
3、『no-seen flower』のみに掲載されているSSや企画もの
ですね。書籍化や移行の際に推敲されているので、書籍やなろう版の方が読みやすいかと。

魔女と王子の交流を軸にした剣と魔法の王道ファンタジー。
というのも、間違いではありません。実際、オスカーやティナーシャといったキャラクターは魅力的です。
ですが、この物語の魅力は、それだけではないのです。
大きく分けると、Act.1、Act.2の二部構成の本編と後日談といった体裁なのですが、ただのファンタジーではない所以がわかるAct.1終了までは読んでみて欲しい。
初めて読んだ時、凄まじい衝撃を受けたのを今でも覚えています。

そして、なろうなどを見ると分かりやすいのですが、この『Unnamed Memory』という作品は、古宮先生の書かれている『-world memoriae-』シリーズの一時期に過ぎないのです。
もし貴方が『Unnamed Memory』を読み、この世界に惹かれたのなら。どうか、他のシリーズも読んでほしい。
つながりがある作品もあり、読み返すたびに新しい発見があります。

少し雰囲気を掴んでから読みたい、と言う人は「小説家になろう」や「カクヨム」に行ってもいいし、作者様のnoteで「試し読み短編」が掲載されています。
3巻が発売されるまでひと月を切っていますが、今からでも、どうか手に取って欲しい。
そんな私の熱が少しでも伝われば幸いです。