私が定期的に推し記事を書いたり、Twitter上で叫んでいるオススメ作品。
古宮九時先生の『Unnamed Memory』をはじめとする作品が属するシリーズです。
先日書いた「Unnamed Memoryを推すだけの記事」は感情優先で、結構順序バラバラだったので、少しまとめて書いていきたい(願望)。可能な範囲でネタバレは抑えている……はず。

1、どうしてそんなに推してるの?
2、『-world memoriae-』ってそもそもどんなシリーズ?
3、どんな作品が属しているの?

の3部構成でお送りします。続きは下記。

◇最新アップデート
25/03/20
アニメ2期関連情報を更新







◇はじめに
この記事は2019年8月に書いたものを、アップデートする形で運用しております。
修正は適宜いれていますが、現状に即さない部分が出ている可能性があります。
また、本記事における情報はあくまで一読者が発信しているものとなりますので、ご留意ください。

1、どうしてそんなに推してるの?
初めて読んだ時受けた衝撃が忘れられないイチオシ作品『Unnamed Memory』が属しているから。
それが理由の一つであることは確かです。けれど、他の作品も魅力的なのです。
書籍化されている作品だけで終わらせてしまうのはあまりにも惜しい。
この記事を読んだ誰かが1作でも読んでくれたら良いな、と思ってこの記事を書いてます。

2、『-world memoriae-』ってそもそもどんなシリーズ?
藤村由紀/古宮九時(WEB名義/商業名義)先生が執筆しているシリーズです。
元々一つだった大陸が、神々の時代に5つに分割された世界を描いています。
作品群の内、『Unnamed Memory』と『Babel』が書籍化されています。
この2作はどちらもファルサスという国を舞台にしていますが、『Babel』は『Unnamed Memory』から300年もの時間が過ぎた時代が描かれています。
時代が違う同じ国(大陸)の話だけではなく、『Rotted-S』のように違う大陸の話もあります。
時代・大陸によって風土・文化が違い、この「大陸分割神話」が知られていないところもあったりしますね。

『Unnamed Memory』が分かりやすいので例にしますが、剣と魔法のファンタジーというのが一つの要素です。作品ごとにそれ以外のテーマとかもあったりしますけど。
それは読んで確かめてください。

※掲載場所についての補足情報

始まりは古宮先生の個人サイト「no-seen flower」。
22年5月18日に一度休止という措置が取られ、サイトの外観だけが残っている形となっていましたが、23年9月末に小説家になろうなどに移行の上で連載されていた関連作品を引き上げた関係で、何作かは個人サイトの方で閲覧できるようになりました。
ただし、先んじて別の場所に引き上げたSSなどもあり、あくまで一部が戻ったという形になります。
詳細を確認したい場合は、古宮先生が納戸と称して発信しているインフォメーション内部の「非商業の置き場アーカイブ」などもご確認ください。

簡単にまとめると、商業本になる際に組み込まれただったり、複数の以降の際にロスト(読者が閲覧できる状態ではなくなった)ものなどがあります。
10月10日に「SS捜索用フォーラム」なども設置されましたので、以前読んで気になっている短編どこだったか、等がある際は利用されてもいいかもしれません。マナーを守って楽しみましょう。

3、どんな作品が属しているの?
【書籍化】
・『Unnamed Memory』(以下UM)
電撃の新文芸から刊行、全6巻完結。イラスト担当はchibi先生。
加筆修正され、より分かりやすくなっているためオススメ出来ます。
後述するが『Unnamed Memory-after the end-』という、本編後のエピソードも書籍化されているため、書籍版を購入するときはご注意を。
いちおう背表紙でも判別できて、1~3巻は「青背景に黄文字のタイトル」、4~6巻は「黄背景に青文字のタイトル」、『-after the end-』は「白背景に赤文字のタイトル」となっている。

呪いを受けた王子オスカーが、青き月の魔女ティナ―シャに解呪を願う話。
2人の交流と関係の変化。王と魔女という公の部分と私的な部分のギャップが良い。
WEB本編がAct.1、Act.2の2章構成なのですが、書籍は1~3巻でAct.1が終わり、4巻からAct.2が開始となります。



また、『電撃大王』にて2020年11月よりコミカライズの連載も開始。
担当は越水ナオキ先生。8巻まで刊行中(25年1月現在)。



2022年2月、UM6巻後の時代を描く続編『Unnamed Memory-after the end-』(以下ate)が刊行された。
25年3月現在、5巻まで刊行中。6巻も2025年5月発売予定と情報が出ている。
またate3巻は電子特別版として、とある指輪にまつわる3万文字の書下ろしエピソードもついてくるので電子書籍版もオススメです。





・『Unnamed Memory -after the end-Extra Fal-reisia』
2024年12月に電撃の新文芸から、電子書籍限定、chibi先生のイラストは表紙の扉のみ、という形式で刊行されました。
同人誌として刊行された『Fal-reisia』シリーズ(1~3巻と短編集の一部エピソード)をまとめた1冊。
時間軸としてはate4巻と5巻の間のエピソードになるので、そのタイミングで読むとより分かりやすいと思います。
が、元が同人誌として刊行された作品でもあるので「逸脱者」というワードにピンとくる人なら、いつ読んでも大丈夫かと。

個人的に持っていなかった短編集のエピソードが加筆修正されて入っていたらしいのは嬉しかったですね。知らないエピソードあるな、とは思いましたが。シンプルな加筆なのか短編集の再録なのかは読んでないのでわからなかったんですって……。

『Unnamed Memory』や『Babel』の舞台となった大陸とも、『Rotted-s』の大陸とも違う大陸を舞台に、とある「扉」を巡る複数勢力の思惑に巻き込まれた少年キーファとその幼馴染の少女ミリアムが主軸となる物語。



・『Babel』
電撃文庫から2巻まで刊行していた(新文芸版刊行に伴って、電子でも販売終了)。
電撃の新文芸よりリブートして、4巻で完結。
イラスト担当は文庫・新文芸ともに森沢晴行先生。
作者さんによると電撃文庫版は、文庫に収録できる量にするために、半分以下に削減しつつ少女小説テイストを書き加えたもの。
新文芸版は、WEB版を削らずに書き加えた本来の筆致になるそうです。曰く「精神の図太さで押し切る淡々根性系」。

UMから300年後、同じ大陸が舞台です。
現代地球の大学生・水瀬雫が異世界へ迷い込んで。
幸いにも言葉は通じたため、最初の村で出会った魔法士エリクの協力を得て、帰還の術を探す話。
バベルという題名の通り、言葉にまつわるエピソードが多いです。
なぜ、異世界で言葉が通じるのか。その答えは、物語後半で明かされます。



【アニメ】
『Unnamed Memory』は2024年4月~6月期にアニメ化されました。


全12話で、主要エピソードをピックアップしていく形でAct.1が描かれています。
各話のタイトルだけ挙げておくとこんな感じ。
第1話「呪いの言葉と青い塔」、第2話「繰り返し触れられる過去」
第3話「森の見る夢」、第4話「形に息を吹きこむ」
第5話「無名の感情」、第6話「深淵の生まれる時」
第7話「夢の終わり」、第8話「緑の蔓」
第9話「分からないこと」、第10話「白紙の子供たち」
第11話「砂のお城」、第12話「背中合わせの記憶」

動くティナーシャ可愛いのでオススメですよ。実に楽しく見させていただきました。



1期のアニメ公式などが発信していた情報をまとめたものも作りました。
……なんか予期せず記録を焼き付けた形になったんですが、アレはマジで想定外だったんです。

2025年1月7日からアニメ2期でAct.2のエピソードが描かれている。
13話「白紙からもう一度」、14話「硝子の羽化」
15話「答えの無い祈り」、16話「見えない貌」
17話「約束の折り返し」、18話「無血の傷跡」
19話「幸せな悲しみ」、20話「永遠の半分」
21話「過去の矜持」、22話「いつかの君と」
23話「記憶の果て」、24話「名も無き物語に終焉を」

最終話となる24話は最速3月25日(火)24:00~、放送される。
単行本3冊を1クールでまとめている関係上、再構成して解説はしているが1度の視聴では分かりにくい部分などがあるかもしれない。
その場合は、アニメ公式サイトの「キーワード」の項目が情報の補完を意欲的に行っているので参考にしてください。



また、2025年1月20日にアニメ2期放送記念で電撃ノベコミにて特集ページが掲載された。
掲載が古いので記事内のフェアが既に終了している点はご了承いただきたいが、2期アニメPVのリンクや、各巻表紙絵などが1つのページで見られるようになっている。
限定SS「猫の逃げ道」も読めます。1月17日放送の14話「硝子の羽化」~1月21日放送の15話「答えの無い祈り」の間に公開されたので、読むタイミングに迷う方はそのあたりで。オスカーの内心についても触れられている珍しいSSですのでオススメです。



2期の公式関連の発信のまとめも作成してますので、併せてどうぞ。


【WEBのみ】(UM関係だけ抜粋)
・『Unnamed Memory Side Story』
UM本編後の『-world memoriae-』世界を描く話。
本編読了後、そのまま読んでもいいですが、他の作品を知ってると楽しさが増しますね。
「鳥籠の女」とかはUMのSide Storyではありますが、違う大陸をメインにしてますし。繋がりを感じられるエピソードも収録されているので。
22年5月、「no-seen flower」サイトの休止に伴いほぼ掲載終了。
サイト掲載のみでカクヨムなどへの移行からはぐれた分に関しては、先生の手が空いたタイミングでFanboxなどに投げられる可能性があるそうです。実際、23年7月時点で一部のエピソードが移行された。気長に待つべし。
個人サイトへの一部帰還に際し、「双頭の蛇」など一部は閲覧できるようになりました(
23/10/10追記)

以前削除されたなろう版、カクヨム版には本編後のエピソードとしてSideStoryが掲載されていた他、断片集としてSSの掲載もされていました。
断片集のエピソードは小説家になろう版にしか掲載がなかったものもあり、それらは古宮九時先生のpixivFANBOXにて、ほぼ全体公開されております(元々ファンボックスで有料先行公開し、後になろうに移行された『螺旋呪詛』のみ有料版のみに統合されました)。
月に2本短編が増えてるので、FANBOXもオススメですよー。
25/01/02追記。シリーズオススメ記事なのであまり長々とは書きませんが、一部ユーザーのルール違反によって24年12月に一時FANBOXが停止される事態が発生しました。繰り返しになりますが、マナーを守って楽しみましょう。

・記念短編など
作者様がUMやBabelの購入特典として、掌編を公開してくれています(納戸リンク)。
以前は書籍化記念のページを自作されたりもしていましたが、役目を終えたため閲覧できなくなっています。
上記納戸リンクの右側コンテンツの欄にある「web購入特典」では本が手元に在れば分かるクイズがパスワードとなっていますので、各巻読了後のお楽しみとしてどうぞ。
「おまけ読み物」の項は入賞御礼などの機会に書かれたSSが閲覧できます。

他には『このライトノベルがすごい!2020』単行本部門1位記念の番外編が、カクヨムにて掲載されてますね。
また、Twitterでも精力的に活動されており、ライトノベルニュースオンラインさんが毎月実施している、ラノオンアワードで受賞されたときなどに掌編を画像で上げて下さることもありますので、先生のアカウントフォローするとより楽しめるかも。
お忙しい時は無理ですけどね。ご自愛ください……。

アニメ2期放送記念で電撃ノベコミ内に特集ページが組まれた。その中に短編『猫の逃げ道』が掲載されている




【WEBのみ】(-world memoriae-シリーズ)
一部の作品は、「no-seen flower」の休止に伴い22年5月時点で閲覧できなくなっていますが「シリーズについて語る記事」というコンセプトのため、そのままとしてあります。

・『Rotted-S』(「no-seen flower」にて閲覧可)
時代的には『Babel』の数年後。UMとは異なる大陸を舞台とする。
戦乱が続く中、辺境の村で暮らす孤児だったアージェが、ある事件をきっかけに旅に出る話。
その道中で剣の師や、光のような少女に出逢って、成長し、大陸の真実を知る物語でもあります。

・『将軍と黒猫』(「no-seen flower」にて閲覧可)
掌編。魔女となったばかりのティナーシャが登場します。
主人公は「将軍」の方で、姫からの無茶ぶりに奮闘する、コメディチックな話が多い作品。

・『水の冠』(「no-seen flower」にて閲覧可)
UMスピンオフ。過去編なのでオスカー・ティナーシャ出番なし。
本編では登場しない「水の魔女」にまつわるエピソードです。
トゥルダールの初代王も登場するので、全く関係ないわけでもないのがミソ。

・『Icy Prayer』(「no-seen flower」にて閲覧可)
『Babel』世代の後。ファルサス王家、キスク王家の子供たち世代が中心のお話。
平和な時代が描かれます。王子達の行動力が色々と凄まじいですけど。

・『Void』(ate3巻に収録される形で書籍化)
荒野に立つ城に住まう、王都を追われた王子の話。
「彼の平穏が終わる直前を語る、ささやかな恋物語である」と公式サイトのあらすじにありますね。
確かRotted-Sと同じ大陸。けれど、時代がかなり経過した後のエピソード。

・『Auratica』(「no-seen flower」にて閲覧可)
時代的にはかなり古いエピソードですね。
魔法士が忌まれている描写がありましたし、作中で場するカサンドラというキャラがとある魔女の関係者らしく、UMと同じ大陸で確定です。
喜劇として語り継がれる、恋の話。小国の王女アウラティカと隣国の王子セデウス。
政略結婚ではあったが、確かに二人の胸には募る想いがあって。けれど、政略結婚であるがゆえに、国の情勢に振り回されることとなった。その顛末が描かれます。

・『End of Memory』(連載中)
『-world memoriae-』シリーズの時間軸で、もっとも未来にある話。
そして、異質なエピソードでもあります。彷徨都市ルーディルスタイアが舞台。
地下で目覚めた記憶のない少女ルリヤが、自分を知るためにちょっとした無茶をしたりするエピソードが多いです。「100題に挑戦」にも何篇かはあり、ルリヤ以外の視点、逸脱者の話もあります。

・『企画作品/100題に挑戦』
「no-seen flower」に掲載されていた企画ですね。
100題に挑戦系はなんと5つもあります。セルフパロディとかもありますね。
「企画もの」→「小ネタ倉庫」→「Babel学園(パラレル)」が笑えて好きです。
どれも面白いのですが、全作品ネタバレ前提なので、読了してからのお楽しみ。
当ブログでは、100題の各作品ごとの感想記事も書いてて「WEB小説」の分類にまとめてあるので、まぁ、暇な人はそちらもどうぞ。

【同人誌】
同人誌情報をまとめた画像作ってみたので、こちらも参考にしてください。
UM同人誌4

※重要【同人誌】に関して
Booth等での一般通販は2022年11月時点で終了となっております。
古宮九時先生のFanBoxにて情報発信されておりますが、有料会員向けの記事のためここで詳細については触れません。

【同人誌】(UM書籍版の各巻を読んでからなら、ネタバレがないもの)
・『Unnamed Memory 水月妃』
書籍1巻と2巻の間のエピソード。
隣国で大々的に行われている花嫁募集と、それに伴って広まる行方不明の噂。それを調査に行く話。

・『Unnamed Memory 魔女の遺骸』
書籍2巻後のエピソード。オスカーの下に持ち込まれた怪しい事件。
魔女にまつわる噂もあって、ティナーシャとオスカーが解決しに足を運ぶ話ですね。
巻末に世界設定、人物紹介などの設定集も収録されています。
ただし電子書籍版では、紙媒体とは異なり小説部分のみの掲載となっているのでその点ご注意を。

・『Unnamed Memory 死骸の森』

書籍版3巻後のエピソード。C97「陽の新刊」枠。十分明るくない不思議。

いつも通りさっくり解決する安心仕様。『死骸の森』というタイトル通り、暗い部分もありますが、これくらいなら全然アリです。

読むと「魔女に連れ去られる」という噂のある本。ファルサス南部の海岸で魔法士の変死体が見つかり、魔法士が使えていた主の下から、王へ祝宴の招待状が届く。魔女と王による謎解きもの。そして、ある魔女の断片。

・『着せ替えは心変わりを呼び起こさない!』
UM書籍4巻後のエピソード。
2020年夏(GW)コミで刊行されるハズだったもの(イベント自体が中止になった)。
ファルサスのとある商家に伝わっていた「人の心を変える指輪」。
それが盗まれたと陳情が入り、オスカーとティナーシャが調査をする話です。
なぜか闇オークションの会場に乗り込んだりしてます。
それはそれとして、ティナーシャを着せ替えしてるオスカーが楽しそうで和む短編です。

【同人誌】(UM本編等のネタバレを含むもの)
・『Fal-reisia』(24年12月に電子限定で電撃の新文芸から書籍化)
全3巻からなる同人誌。UMやRotted-Sとも異なる大陸が舞台です。
他の大陸とは文化が異なってますね。UMなどに出て来る魔法士は魔力を使い、構築を組んで魔法を使います。
ですが、この大陸では魔力がエギューラと呼ばれています。ローカルルール。使われ方にも差異がありますねー。
本編の内容としては、支配領域を拡張していく軍に属する少年と、それに対抗する宗教組織の少女の戦いの話です。
『Fal-reisia -unnamed stories-』という短編集も出てたそうです。完売済み。描き下ろし短編も収録されていたとか。持ってないので詳細不明。

・『ヴィヴィア・バベルと屍人姫』
『Babel』本編後のエピソードですね。
死人が蘇ったと城に陳情に訪れた男。面白がったある人物によって、一人の少女が調査に派遣されるお話です。

・『Unnamed Memory 奇跡のような嘘をあなたと』
「小説家になろう」のページ下部、断片集に収録されてます。が、あれ無料配布のペーパーの再録で、フルバージョンが文庫で出してたらしいです。
「なろう版」の内容で言うとUMのIFストーリーですね。オスカーとティナーシャ。お互いの身分を知らずに出会ったら、そんな話。


イベントで運よくゲットできたので加筆(20/1/4)。

なろう掲載分だと「~貴方と」で書籍のほうは「~あなたと」で表記が違うみたいですねー。
限定頒布した小冊子(約一万五千字)だったものに加筆して、五万字強の中編にしたそうです。
最初の遺跡探索の描写が増えていたり、WEBでは描かれなかった冒険パートも増えていて、大変楽しかったです。かなり幸せなIFで、心が安らぎました。

・『Unnamed Memory 砕けた月を瓶に詰めて』
「月蝕」という本編に繋がる前日譚。本編は現時点(2025年1月)で未刊。気長に待ちましょう。
いずれ王になる少年と、傍らに侍る狂気の魔女の話です。

・『Unnamed Memory 灰の見る夢』
UMのIFストーリーとでも言いましょうか。試行の1つ。
塔を上ったオスカーが、ティナーシャを魔女と気付かなかったら。
そんな出会いから始まる、一つの物語です。

・『Unnamed Memory 零れた灰を嘆くとも』

『灰のみる夢』の続きとなる物語。C97「陰の新刊」枠。告知用の画像では「『灰の見る夢』に続く、知らない方がいい後日譚」と書かれていました。

その謳い文句が、一片の偽りも無い真実だと、保証します。幸福の果てに起きた悲劇と、それを覆そうと足掻いた、ただ一人の物語です。悲しい。

・『Unnamed Memory 青光跡』
書籍版完結記念に描かれた短めのエピソード。
記念短編ページにて、全巻購入者であれば確認できるページにてPDF版を配布されている(リンク)。21年6月頃には公開されていたのに、21年9月の記事更新時には忘れていた。無念……。
公開時期・閲覧方法から分かると思いますがUM本編後が描かれています。互いを唯一と認めた2人の愛おしい時間の話。

・『Unnamed Memory [変質の旅路]』
C99(2022年冬コミ)合わせで刊行された、『青光跡』や続編『Unnamed Memory-after the end-』の間に起きたエピソード。
WEBに掲載されていたものではありますが、同人誌としてまとめる際に改稿されております。一部では「真・変質の旅路」や「変質の旅路(真)」などと呼ばれている。
逸脱者の戦いが始まるその直前のお話です。

・『Unnamed Memory 紅毒の眠る床』(ネタバレ注意)
このエピソードは結構核心に踏み込んでるので、UM本編読了後に読むのを推奨。
ヘルジェールという夜を渡り歩く薬師。
彼女が救ったことのある王子の国が危地にあり……取り引きによって彼女の身柄を求めた、剣士の話です。

・『Unnamed Memory Aeterna』(ネタバレ注意)
これも、他のエピソードに繋がる話であるので、UM本編読了後を推奨。
妻を探して、オスカーが享楽街ガテリア・ティティに踏み込んで。
長い時間の果て、一つの終わりと新しい始まりの区切りとなる一編。

・『時の夢 no-seen flower 小冊子総集編』
総集編の名の通り、「no-seen flower」内の作品ほとんどの短編が乗ってます。UM、Babel、Rotted-sなどなど。各作品、本編後のエピソードがあるので、これから買う人はお気をつけて。
『-world memoriae-』に属さない『月の白さを知りてまどろむ』等も掲載されてます。
それらも面白いですよー。『-world memoriae-』紹介の記事なので割愛しますが。
『時の夢』の感想も当ブログにはありますー。短編それぞれについて語ってるせいで、3つに分割してます。

・『時の夢Ⅱ no-seen flower 小冊子総集編』
2020年2月コミティア新刊。以前の『時の夢』から7年が経ち、纏められた総集編第2弾。
イベントのペーパーや、完売したコピー本。ファンレター返信や期間限定公開の掌編など、「今はもう読めない掌編」ばかりを集めた1冊。
その都合上、複数作品が混在しネタバレもあるので、お求めの際はご注意を。

『月の白さを知りてまどろむ』と、電撃文庫から刊行された『監獄学校にて門番を』の短編が入っているほかは全て『-world memoriae-』関連ですね。
半分くらいは、現代パラレルの『学園Babel』時空です。
例年、古宮先生はクリスマスにコンビニプリントで掌編を公開されていたのですが、それらも収録されています。クリスマス掌編あまり追えて無かったのですごく嬉しい。2019年の分まで収録されてるので多分完全版。

25年1月3日追記・『no-seen flower ガイドブック”Closed Garden”』
C104(2024年夏コミ)にて刊行された、タイトル通りのガイドブック。
アニメ化を期に入ってくる人も増えてきたが、自サイト・投稿サイトなどでの掲載情報が分散していたので一度まとめを作っておこうという意図で作られた作品。
「ーworld memoriaeー」シリーズに詳しくなれるので、興味ある方には進めたい1冊ですね。
各Tipsも先生のコラムも読んでて楽しかったですし、SSなんかもいくつか収録されているので満足度が高い。
……なんか、こんな記事書いてるからか、P74で百題情報を整理している有志として弊ブログの名前が挙がってたりもしました。はい。びっくりした。

25年1月3日追記・『Invitation Unnamed Memory 現パロ再録本』
コミティア150(2024年11月開催)で刊行された現パロの再録本。
扉絵の英字とか訳すと「Babel学園マイナス」とかって入ってるんですが。
元々、Babelに登場する雫やオルティアが通う「Babel学園」という小学校から大学まであるでっかい学園の高等部のエピソードを書かれていたんですよね。
そして、その「Babel学園」においては結婚している理事長夫婦ことオスカーとティナーシャが結婚するまで、を描いているのでWEBで読めた頃は「Babel学園マイナス」って感じでシリーズ表記されてたんですねぇ。懐かしい。
現パロで真面目に学生やってるティナーシャですが、猫みたいな彼女の性格は変わらず。上手くオスカーがなだめて、撫でられるようになっていくさまは微笑ましいです。

25年1月3日追記・『虚ろ月 Unnamed Memory』
C105(2024年冬コミ)で刊行された1冊。
UMのIF……みたいなものです、はい。
青き月の魔女ティナーシャが400年探し求めていた人物と再会できず、彼の死を確認してしまい、死のうかな……と厭世的な気分が高まったタイミングで、塔の下見に来たオスカーと出会う話。
スタート地点から死にたがっている彼女に、どこまで踏み込んでいいのかオスカーが探りつつ交流していく物語です。

とまぁ、こんな感じで多様な作品が属し、それぞれの魅力があります。
同人誌を精力的に刊行されてて、完売後に電子化してくださっているものも。
『End of Memory』に関してはまだ連載中ですし、書籍化を期にUMの新しい短編を書かれたり、今なお更新が続いている大作です。
WEBのみの作品もありますので、まずはそれらから読んでみる、というのも全然アリ。
きっと楽しんでいただけると、そう信じています。

◇アップデートログ(備忘録)
19/08/24
・初稿作成
20/01/04
・冬コミ新刊と『奇跡のような嘘をあなたと』について追記
20/01/11
・分類変更(同人誌をUM書籍版を読んでれば分かるものと、ネタバレを含むものに分割)
20/03/01
・同人誌情報に『時の夢Ⅱ』を追加。記念短編について追記
20/05/07
・6月刊行のBabel新文芸版と、なろう版Unnamed Memoryについて追記
 【WEBのみ】の項目からUMだけ抜粋した項目を作成
21/04/20
・書籍版の最新刊情報を更新。コミカライズ情報、「消滅史-螺旋呪詛ー」について追加
21/09/19
・古宮先生の個人サイト「no-seen flower」が独自SSLに対応されたため、記事内のリンクを更新
・8月にkindleストアから、同人誌の電子版が引き上げられた(後日Boothに移行予定)ため、同人誌関連の情報を更新
・その他細かい修正(書籍版の情報を最新の状態に更新する、記事の公開日設定をアップデート日に合わせるなど)
22/01/29
・小説家になろうから本編以外の断章などが撤収されたことの反映
・C99(2021年冬コミ)合わせ刊行の同人誌や『青光跡』の情報追加、Booth販売情報の更新
・22年2月刊行予定の『Unnamed Memory』続編情報の追加
22/04/29
作者様サイト『no-seen flower』が403表示されることに対応されたことへの追記(22/5/18のサイト休止に伴い、必要性が薄れたため追記部分は削除済み)
22/05/18 作者様個人サイト「no-seen flower」が休止となったため、記事内の「no-seen flower」リンクを削除。関連した個所の表現の修正・加筆。
記事の公開日時を22年5月18日に更新。
22/11/17
小説家になろう版『Babel』が掲載終了しているため、リンクを削除。
同人誌のBooth販売が終了したため、記述を修正。
23/07/13 小説家になろう版『Unnamed Memory』が掲載終了となったため、記事内の関連部分を修正。
書籍化記念で作成されたページが削除され、古宮先生の納戸にSS等が移行したので「記念短編」の項目を修正。
同人誌の項目に、作者様FanBoxの情報を追記。
23/10/10 古宮先生が小説家になろう・カクヨムにて掲載していた作品をほぼ引き上げ、一部タイトルに関しては個人サイト『no-seen flower』に戻ったため、記事内のリンクを更新。
25/1/3
刊行中シリーズの最新情報を更新。「Unnamed Memory」のアニメ情報を追記。
「Fal-reisia」の情報を更新・書籍化コーナーにも追記。
同人誌情報(「Closed Garden」、「現パロ」、「虚ろ月」)の項目を新設。