「生まれた時からついているのならそれは単にそのものの色ってだけだ。汚れではない」
ウォルトン王国の王都には鬼神がいる。
護国鬼神と呼ばれる機体を操る、防衛の要。
冷酷無比と敵国に恐れられる彼が、魔導兵器の電池代わりにされていた少女を助け、庇護する事となって。
あらすじでは英雄とうたわれていますが……当代当主である少年、レオは人混みが苦手な引きこもり。
先代が暗殺され、過保護すぎるほどに守られてきた故ではあるようですけど。
先祖が王家と結んだ契約を果たし続ける家系の末裔。それなりの待遇は受けていますが、対外的に便利だからと、正式な貴族ではないとか。
彼自身もまた、柵に囚われていた籠の鳥なんだというのがひしひしと感じられて、ちょっと泣ける。
王室とも微妙に距離があるというか。向こう側も、どう接したものかと困惑しているとのことでしたが。あくまで人伝の話なので、どこまで正しいやら。
けれど、彼が救った奴隷少女のフェルミ。彼の婚約者として派遣されてきたマリエルなど、周りに人が増え、変化も見られるので、今後に期待という感じでしょうか。