「王よ、私は貴方の魔女」
(略)
「そして貴方は私の王。魔女が貴方に、永遠に変わらぬ愛情を捧げましょう」
まず最初に言わせてください。
最っ高でした!!!
当ブログでも、オススメ記事書くたびにその名前を出している位のイチオシ作品なんですが。期待値を軽く超えてくれて、もう感謝しかない。
都内で流通開始した日にゲットしに赴いたのですが、感想書いたらネタバレ満載になったので、公式発売日をまってました。未読の方は閲覧注意です。
というわけで3巻ですよ。
『Unnamed
Memory』は大別してAct.1とAct.2からなりますが、Act.1の終着点が描かれます。WEBで初めて見た時、衝撃を受けたのを今でも覚えていますね……
今回も冒頭の1章まるまる書き下ろしで、あちこち加筆されていてWEB読んでいても楽しめる構成。
特に後半。呼ばれぬ魔女レオノーラの事とか、戦いの情景とかがボリュームアップしていて、熱かったです。
いや、なんだあの隠し玉。気軽に城を呼ぶな。魔女って本当油断ならないですね……怖い。そりゃあ、こんなのが五人もいたら魔女の時代とか言われますわ……
ティナーシャがどんどん城に馴染んで、頼み事をされることも増えて。
契約終了まで三か月。四百年を生きた彼女からすれば、あっという間……のはずだった。
けれど、彼女は揺れ迷っていた。そんな中で、城が襲撃される事態になって、オスカーが危機に陥ったりもしてましたが。
それでも助けるべく手を尽くしてくれた、彼女に敬意を表したい。
……私人としては、わりと抜けてますけど。
彼女が多数決を取る場面は、WEB時代から特に好きなシーンです。笑った。
そこがギャップになっててまた魅力的というか。完璧すぎるより、ちょっと抜けてるくらいのほうが親しみやすいですよね。
そして、その後の挿絵が卑怯でした。あそこで一度死んだ。
というか、あそこに至るまで挿絵がなかったことに最初は気付かなかった位、のめり込んで読んでましたね……
トラヴィスとオーレリアの挿絵も付いてて、今回の挿絵指定、完璧だなって気持ちで読んでました。トラヴィスが思った以上に男前で、同時に胡散臭い……
ついに結婚に至って、感無量でしたね。あの場面でまた死んだ。死に過ぎである。
王と魔女が協力して、災いを生む魔女を討ち、ついに結ばれる。
普通の物語だったらここで終わりです。
けれど、『Unnamed
Memory』には、まだ続きがあるのです。
文武両道、完璧と言っていい王オスカーの、ただ一つの愚かしさを、それでも後悔がない結末をどうか見て欲しい。
巻末には、『Re:ゼロ』の長月達平先生の解説付き。
長月先生の熱が伝わってくる文章で、楽しかったです。
そして、その解説の終わった次のページには、ある広告が掲載されています。
えぇ、えぇ。WEB読者すべてが願っていた事でしょう。Act.2の書籍化が、発表されました!!!
後書きと解説まで読んで、「これは……どっちだ……?」と、元々Act.1のみで愉悦するなんて話もあったので、不安になりながら読み進めて。
たった一ページが、とても重くて、深呼吸してから開きましたよ私は。
「書籍化決定」の文字を見た時には、冗談じゃなく固まって、「マジか」と零しました。夢かと思った。三度見くらいして、本当だと認識した後くらいから、しばらく動悸が激しくなって大変だった。
刊行時期とかはまだ触れられてなかったので、続報を待て! 状態ですけど、もう、決定したって言う情報だけでしばらく生きていけそう。ありがとうございます……!
◇オマケ1
今回も作者様製作の「書籍情報」サイトにて、短編が読めます。
ネタバレあるので、読了後のお楽しみにどうぞ!!