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「約束したろ――いっしょに飛ぼう。空の最果てまで――俺はまだ、ジェシカを雲海の底へ連れていってない」

 

再読。あぁ、やっぱり懐かしいし楽しい。

飛空士シリーズもそうですが、ガガガの青いカラーリングが相まって、空をテーマにした作品が、更に美しく感じられて好きです。

 

霧の上に浮かぶ島に人々が暮らす世界。

霧の海には霧妖と呼ばれる魔物が居て、他の島と連絡を取るのも容易ではない。

「封書」と言う特殊な手紙を、命懸けで運ぶのが「武装郵便屋」と呼ばれる職業で――主人公のウィルとジェシカも、その一角に名を連ねるコンビだった。

 

ただし、落ちこぼれとして。

飛ぶのが下手で風を読むことのできない少年ウィル。

ある出来事がきっかけで空が怖くなった少女ジェシカ。

武装郵便屋は危険と隣り合わせで、それでも封書だけは確かに届ける為にバディを組んで飛ぶことが義務付けられていた。

本来なら2機編成の事を言うが……ウィルとジェシカは、2人乗りで互いの欠点を補う形で、飛んでいた。

 

そんな二人に、腐れ縁の相手が封書の配達を依頼してきて。

シリーズスタートとなるこのエピソードでは、まだまだおっかなびっくり飛んでいる二人が、新鮮ですねぇ。

屈辱を感じながらも、それでも空を飛ぶのだという二人の航海がとても眩しくて、続きを楽しみに待っていたのを思い出しました。