「だけど、もし――来訪者がウルクの失踪に絡んでいて、ウルクの身に何かあったとしたら」
(略)
「……その時は、俺は来訪者を許さない。許さないだけじゃなくて、多分――追いかけて、剣を突きつけて、思い知らせてやる。理屈じゃないのかもな。こういうのは」
第二王子が死に、王太子の息子も騒動の中で殺されて。
第三皇子ブラド―と、第四王子フェリオ。どちらが王になるかで意見は分かれ、譲り合うことに。兄弟仲が、他に比べて良好だった二人が残り、それぞれの性格ゆえに相手を推す様子にはちょっと笑ってしまった。いや、本人たち真剣ですけど。
そこに、フェリオの下にある報せが届いて……
神殿に戻ったウルクの話。彼女は、そこでイリスとカシナートの会話を聞いてしまって。
来訪者たちの技術で処置を施される事に。いやぁ。容赦ないわぁ……
展開知ってても、ちょっと手に取るの躊躇いましたからね。
ウルクが行方不明だと知ったフェリオが迷わず行動を起こしてくれて、ウルクを大切にしているというのを言葉にしてくれたのは良かったですけど。
謹慎と言う名目で、辛くも命を拾った妹の世話を甲斐甲斐しく焼いているクラウスが癒しですね。
レージク麾下の時は、あれだけ苛烈だったくせに、随分と変わったというか。
それだけ大切なんだなぁ、とちょっと和んだ。ベルナルフォンが一時はフェリオ達についてまで取り戻そうとした親友の姿が見られたのがいいですね。
カシナートが神殿で行動を起こした時、フォルナム神殿の人々が抗う意思を示してくれたのが良かった。
イリスやカシナートの行動、どうしても好きにはなれませんね。
彼らなりに出来る事をしているのは分かるので、嫌いでもないですけど。
アルセイフの次代の王が定まっても、神殿はまとまらず、更には他国の侵略まで始まって、休まる暇がないですね……