「いいか、パンプキン――そもそも俺は、そんなことを選ぶような立場にいない。誰かの命を選んだり選ばせたりするなんて、ただの傲慢だ。俺は――どっちも護る――!」
教授と呼ばれる来訪者、ムスカ。
彼は文献に当たり、神官から話を聞き、来訪者たちの世界と今いる世界との時間差に気付いた。
一つ一つ当てはめていけばその答えに辿り着くのは確かですが。イリスが、あり得ないと言ったように、推論とはいえよく思い付いたなぁ。教授の肩書はダテじゃない。
そしてこの騒乱の時に、西の大国ラトロアから、アルセイフを訪れた剣士が居たのも巡り合わせでしょう。
彼がウィスタルを訪ねてきたこと。その道中で、フォルナム神殿に協力している北方民族に出会った事。そして神域の街を訪れた際に、フェリオが介入できる場所で会った事。
この縁が、また後々大きく影響していくわけですよね。1つの出会いにいくつもの意味を持たせて、繋げていくのが上手い。
カシナートとの交渉にあたって、フェリオが来訪者を見逃す条件すら出して来たのにはちょっと驚きました。
何につけまず行動の人だと思っていたからなぁ。王族らしい、優先順位と判断も出来るのか。ただ、彼自身の価値を過小評価しがちなのかな。
意外だったと言えば、神殿騎士の悪辣さを煮詰めたべリエが、今のアルセイフの力を正しく評価しているって言うのが皮肉というか。戦いを求めるからこそ、力には敏感なんでしょうかね。
状況を動かす為に副団長のリカルドに指示出したのは許せませんが。