「何処であっても」
2018年12月頒布の同人誌。
オスカーとティナーシャが、互いの抱えている荷物を下ろした後出会う話。
呪われた王は青き月の魔女ではなく、沈黙の魔女に会いに行き。
魔女は、別ルートから悲願を果たした。
ずっと抱えていた案件が片付いて、もはや「どうやって生を終わらせるか」と、自分の終わりを想像していたティナーシャ。
たまたま酒場に居た所に、魔法士を探していたオスカーが登場して。
二人は協力して遺跡を踏破。戦利品を持ちより、オスカーから提案して、次の約束をした。
正確には、連絡用の魔法具をもらったんですが。
それを活用して、二人は冒険をした。そのすべてがきっと輝いていた事でしょう。
詳細が描かれたいくつかのエピソードを見るだけでも、二人が充実しているのが伝わってくる。
ティナーシャも使い魔のリトラに早い段階から楽しそうだと指摘されてましたし、「また呼んでくれるかな」と口にする彼女が可愛い。
互いに、自分の抱えていた難題を解決していたこと。そして、王と魔女と知らずに出会ったこと。それらが上手く作用して、ティナーシャの照れる反応が見られてニヤニヤしてしまった。
「進展の無さが面白くなってきてる自分に気づいて、さすがにまずいと思った」というオスカーが相変わらずでしたけどね。そこを面白く思えるような彼だからこそ、ティナーシャに届いたのでしょうけど。
C97の陰の新刊で受けた衝撃が、多少緩和された気分。『灰夢』本編も、幸いの話だと思っていたのに……で、でもこれは最後まで幸福だって書いてあったから……例え試行の1つだったとしても。素敵な時間だったことに、変わりはありません。