「なんだか――無茶苦茶、気持ちよさそうですね」
大戦が起き、多くの被害が出た世界。
表舞台での派手な戦争ではなく、スパイたちによる影の戦争が主流となっていった。
情報の奪取、敵高官の暗殺などなど。
そうした危険な任務に赴くための人員を育成するための機関も設立され、運用されていたものの……向き不向きはあって、どうしても落第すれすれの子も出てくる。
そんな実戦経験も無く、落ちこぼれ寄りだった少女たちばかりが集められて、共同生活を送ることに。
目的は、腕利きのチームが壊滅した「不可能任務」の達成。
彼女達を指導することになる教官は、自称・世界最強のスパイ。
実際、その文句に恥じない実力を持ってはいるんですが……一つ問題が。
彼は、かなり感覚派の天才で、指導が致命的に下手くそだった。
一歩どころか十歩も百歩も先を行く人の実演だけで真似できたら苦労しないんですよね……
そんな彼が思考の末導き出した答え。それが『自分を倒せ』というもの。
実力に格差がある相手を、如何にして倒すのか。少女たちは、悩みながら、失敗を繰り返して。その度に相談して、少しずつ自分に出来る事を増やしていった。
前半は、キャラ紹介と訓練で、後半が主目的の作戦実行のエピソードです。
訓練パートでボスが見せた「マスターキー」の下りとかが笑えて好き。
彼女達の、そして最強のスパイの任務達成方法は中々に痛快でした。