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「やはりわかっていないな」

静かに、ラジャスは口を開いた。

「永遠だと。それこそ運命そのものだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて再読。

人と魔物の存在について。なぜ、魔物が魔力を宿しているのか。

根本の情報が解き明かされる、シリーズ最終巻です。

 

魔大陸にある、魔王城に現れた「初代魔王」を名乗る少女。

当代の魔王であるところのサラに接触してきて。

実際に魔物たちが見ると継承されてきた「魔王の力」を感じ取れるし、今は廃れてしまった古式の挨拶や、誰も知らない世界の真実なんかを語るので、疑いようもないみたいですが。

 

最近頻発している地揺れ。

これが続くと、世界が壊れてしまうと初代魔王は言い、それを回避するために命を減らすと宣言。

その力を持って魔物たちに影響を及ぼし、帝国の統治によって途絶えたハズの、人と魔の戦争が再度勃発する事に。

 

各国から智者を集めていた事もあり、外部に敵が出来た時に、そのノウハウを共有できるのは強いなぁ。

火災の消火に関してだったり、城塞での防衛線に関するアレコレだったり。

色々と思惑を秘めている家臣が多くても、状況によっては手を組む強かさが好きです。

まぁ、突然出て来た初代魔王に引っ掻き回される展開は好みが分かれそうですけど。

 

サラとラジャスが協力したこともあって、今回の騒動はひとまず落着。

3巻で、帝国が滅びるもっとも簡単で確実な方法として「皇帝の寿命」が挙げられていましたけれど。

……実際問題、生きてる間は揺るがないだろうけど、未来においてはどうなるだろう。そんな事に想いを馳せる、余韻ある終わりで好き。