「他領の余力に関しては存じませんが、ローゼマイン様の儀式は見る価値がございます。神々に祈りを捧げること、神々に愛されるというのがどういうことなのか、よくわかると思います」
第五部は本当に、胃がキリキリするようなエピソードが多いですねぇ。
貴族たちは遠まわしな物言いをするから、(最近は改善してますが)ローゼマインみたいに誤解することもあるし、本質に気付けてない感がある。
まぁエーレンフェストも、まだまだ順位に見合った態度が取れずに、ヴィルフリートとか萎縮するばかりなのもあって、色々とチグハグなんですよね今。
それだけ政変の影響で失われたものが大きいという事もあるんだろうなぁ。
プロローグは、アーレンスバッハに行ったフェルディナンド視点。着々と仕事をこなして、文官たちから少しずつ評価されている模様。
いやまぁ中継ぎアウブに成ることが決まっている、ディートリンデが酷すぎるので、結果的に頼られている感じですが。
第三夫人の子で、領主教育を受けてこなかったとはいえ、流石にアレはなぁ……文官たちも、諦めきっている感じがある。大領地のくせに、気概がない。リヒャルダが居れば、ビシバシいっただろうに。ま、ゲオルギーネが暗躍している中では、正直そうした存在が居ても摘み取られてるでしょうけど。
少しでも味方を作らないといけない状況で、ローゼマインからも頭の痛くなるような手紙が飛んでくるんだから、お疲れ様です……
まぁ、今回はそのローゼマインも結構振り回されてるんですけどねー。
フェルディナンドから伝えられた、地下書庫についての情報を王族に伝える事を決めたら、第一王子との接点が出来てしまったし。
共同研究の中で有能さを示したことで、ダンケルフェルガーから第一夫人として求められ、嫁取りディッターをする羽目になるし。
王族と大領地の傲慢がこれでもか、と描かれている。特に巻末書き下ろし短編「注意すべき存在」はこれまで描かれてこなかった、第一王子ジギスヴァルト視点でしたが……
WEB読んで、結末を知っていても、正直テメェって思いましたね。グルトリスハイトがない王族として育ったせいで、色々と抜けている。
なろうで連載中の続編、「ハンネローレの貴族院五年生」での行動も、まぁそうなるかな、という感じで理解は深まりましたが。
あとは、本編ではヨースブレンナーのリュールラディ視点で描かれた「聖女の儀式」。本編ではローゼマイン視点で描かれていましたが……大分見えてる物が違うなぁという感じ。これは確かにWEB版の時、視点変更入るわと納得しかなかった。
色々ストレスが溜まって爆発した「ちょっとした企み」辺りのやり取りは好きですね。