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「夜、眠る前にはいつもこの箱を眺める。この箱の中身だけが私を支えている。だから君に贈る助言はひとつだけだ。希望を詰める箱を見つけたまえ。それが心の拠り所になる」

 

二人での旅を続けるニトとケースケ。

効率的に探し物をしたいので地図が欲しいというケースケに、地図は貴重品だから簡単に手に入るか分からないというニト。

うーん常識が違う。いいですよね、こういう違いを見せつける会話。こういうの好きです。

なので、今回はケースケが異世界人だと見破る、眼力強い人が多くて楽しかった。しかも見破る方法がそれぞれ違うやり方なのが良いんですよねぇ。

新キャラでも気付かない人も居ましたし、バランスが上手い。

 

旅の道中、聖女様を奉る聖堂がある村に辿り着いた二人。

崩壊しつつある世界で、ひっそりと滅びかけている村。こういう村、普通にあちこちにあるだろうし、旅人を迎えることなく滅びた場所もあるんだろうな……

ケースケが悩みを抱いたのも分かるわぁ。何もかも終わりつつある世界において、なぜ人は生きているのか。

 

多くの知恵者が考察しつつも答えを出す前にしまい、真実は明かされることはなかった。それでも。そんな世界で生きる理由。

モンテさんの答えが曖昧なようで支えになる、まさに希望となる指針の話だったので、ケースケが役に立つ助言だと返していたのが、良かったですね。

 

届け屋を営んでいる獣人の少女、シャロルも中々いいキャラしてました。

というか、彼女の祖先と出会った異世界人の話って、前作のキャラでは……? そんな気はしてましたけど。そうかあの世界、静かに滅びるのか。

別の作家さんが言っていた「滅びない国はないので(滅ぼしました)」的な言説を思い出しましたね……

終わりがあるからこそ、それでも生きるからこそ。優しいし切ないし、悲しくて愛おしい。

相変わらず作中の空気感が好みで楽しい、良い作品でした。