『忘れません。ずっと』
『文学少女』などのシリーズを書かれた、野村美月先生の新作。
本の声を聴くことのできる少年、むすぶ。
彼は「本の味方」を自称し、悩みのある本達の声に耳を傾け、解決の為に行動する。
なんというかまっすぐで青くて、眩しいなぁ。
かなり行動力はありますけど、入れ込み具合も中々で、危うい雰囲気も感じる。
本と話せること隠す気もそんななさそうと言うか。必要であれば口にしてますし。
迫害とか、そうでなくてもいじめの標的になりそうですけど……大丈夫だったのだろうか。
頼りになって、能力への理解もある先輩が居るようですし、そこまで心配はしてませんけど。
駅の貸本コーナーにあった、かつてある少女が持っていた『長くつ下のピッピ』。
図書館で声を発し続けていた『十五少年漂流記』や『外科室』。
そうした本の声に触れて、人を探したり、時には冒険をしたり。はたまた、想いを告げる手助けをしたり。
『外科室』の結末に関しては、妻科さんの意見に近いんですが。
そうなるんだ、と思ったのはありますが。選んだならば貫き通してほしいものです。